離婚を決意したものの探偵に浮気の調査などを依頼した方がいいのか、迷う方もいらっしゃると思います。
この記事では、浮気調査を探偵に依頼すべき理由や方法、浮気の証拠が離婚に有利になる理由、探偵社を選ぶポイント、探し方などを詳しく解説します。
離婚問題でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
離婚する場合に浮気調査を探偵に依頼すべき?
配偶者の浮気を疑っている場合、浮気が確実だと分かる証拠が必要です。手をつないでいるだけの写真や、メールのやり取りだけでは証拠が不十分とされ、裁判では認められません。
確実に浮気をしていると分かっている場合や、離婚を切り出された理由が分からない場合でも、プロの力を借りることで真実を明らかにし、離婚問題をスムーズに進めることができます
確実に浮気している場合
配偶者が確実に浮気をしていると分かっている場合、慰謝料請求に必要な証拠を集めることができます。特に、肉体関係を証明できる証拠は非常に重要です。
民法770条1項1号では、配偶者の不貞行為が裁判上の離婚原因として定められており(※1)、浮気の証拠は離婚を有利に進める上で欠かせません。不貞行為とは、配偶者以外の者と性交渉や性交類似行為(手淫、口淫、裸で抱き合う行為など)に及ぶ不倫や浮気のことを指します。
裁判は証拠ありきで進みますので、確実な証拠がなければ有利な立場で裁判を進めることが難しくなります。
離婚を切り出された理由が分からない場合
配偶者から突然離婚を切り出されたものの、その理由が思い当たらない場合、相手側が浮気している可能性があります。日本の法律ではお互いの合意がないと離婚できないため、相手の浮気が原因であれば、裁判で有利な立場に立つことができます。
ただし、配偶者が異性と食事をする、手をつなぐ、キスをするなどの行為は「不貞行為」にはならないと解釈されます。ほかに性交等をにおわせる証拠がでてきた場合、「不貞行為」の証拠になる可能性があるため、証拠収集の機会があれば手元に保存しておくことをおすすめします。
調査経験のない方には難しい場合もあります。ご自身で集めた情報を探偵に共有して効率的に調査を進めてみてもいいかもしれません。
浮気の証拠が離婚に有利になる理由
浮気の証拠があれば、離婚を有利に進められる可能性が高くなります。法律では「貞操義務」※2に違反した配偶者は、離婚の原因を作ったとされます。
確実な証拠は、相手の言い逃れを防ぐだけでなく、離婚の正当性やこちらに有利な条件で進めやすくなります。具体的には慰謝料の請求ができること、相手を有責配偶者と認定させることができます。
慰謝料請求ができる
浮気の証拠があれば、慰謝料請求が認められる可能性が高くなります。貞操義務違反である浮気は、配偶者の権利を侵害する行為とみなされるため、慰謝料請求ができる正当な理由となります。
また「内縁の当事者でない者であつても、内縁関係に不当な干渉をしてこれを破綻させたものは、不法行為者として損害賠償の責任を負う」※3
と示されています。つまり、配偶者の浮気相手に対しても、慰謝料請求ができる可能性があるのです。
※3 「内縁関係を破綻させた第三者の不法行為の成否」民法709条,民法710条
相手を有責配偶者と認定できる
有責配偶者として認定されると、相手からの離婚請求が認められる可能性が低くなります。有責配偶者とは、不貞行為(浮気)をして離婚の原因を作った配偶者のことです。
原因を作ったにもかかわらず、一方的に離婚を求める要求は認められません。※4浮気の証拠があれば離婚の原因をつくった人(有責配偶者)と認定することができます。
例えば、夫が浮気をしていて一方的に離婚を要求された場合、夫が離婚の原因を作った人(有責配偶者)になれば、夫からの離婚請求は認められません。
浮気の証拠があれば離婚の話し合いの際、浮気をされた妻は慰謝料などの交渉において有利に進められるということです。
探偵の証拠で有利に離婚する方法
貞操義務違反である浮気の証拠を示すことで、離婚訴訟で有利な立場を確保できるでしょう。そのためには確実な証拠を集めること、集めた証拠を正しく活用する必要があります。
裁判では、第三者から見ても浮気しているとわかる証拠が必要になります。確実な証拠を集めるためには、ラブホテルに入る瞬間を撮影するなど、肉体関係を証明できる物が必要になります。
確実な証拠を集める
探偵に依頼する際は、確実な証拠を集めてもらいましょう。自分で証拠を集めようとすると、違法行為に触れる可能性があり、逆にこちらが訴えられる危険性もあります。
浮気の証拠としては、
- 不貞行為を直接的に証明できる写真や動画
- 肉体関係があったと推測できる証拠(SNSやLINEのやりとり、性行為を認める念書・メール・録音など)
- 浮気中の状況を示す証拠(浮気中の会話の録音データ、浮気中に行ったお店の領収書、二人で宿泊したとわかるホテルの利用明細、不倫相手の住む地域までのETCの明細、電話の明細 など)
が有効です。
集めた証拠を正しく活用する
集めた証拠は、弁護士と相談しながら正しく活用します。法的な枠組みを守りつつ、適切な方法で証拠を提出することで、離婚を有利に進めることができます。
その点、探偵が作成する調査報告書は、裁判でも有効な証拠として認められるように配慮されています。証拠の質は非常に重要であり、信ぴょう性に欠けるものや曖昧な内容の場合には、証拠としては弱くなります。
探偵からの調査報告書は、内容や得られた情報が時系列に記載されており、第三者が見ても浮気をしていることがわかる動画や写真などの証拠を集めて作られています。そのため、裁判にも提出できる内容となっています。
集めた証拠は、弁護士と相談しながら適切な方法で活用しましょう。
調査力が高い探偵を選ぶポイント
確実な証拠を集めるためには、調査力の高い探偵を選ぶことが重要です。法的なルールを守りつつ、裁判官を納得させられるだけの証拠をあつめるには、高度な調査スキルと法律知識が求められます。
探偵を選ぶポイントは3つです。
優秀な調査員が在籍している
貞操義務違反の証拠収集には、高度な調査スキルと法律知識が必要とされます。優秀な調査員は、浮気調査に特化したノウハウを持ち、依頼者の状況に合わせた調査プランを提案してくれます。
また、証拠能力の高い写真や動画を収集するための機材を駆使し、確実な証拠を収集してくれるでしょう。調査員の人数や調査体制についてもちゃんと説明してくれると安心できます。
機材を目的のために活用できている
高性能な機材は重要ですが、それをどのように扱うか調査員の能力によります。一部の業者は、機材の写真を目立つようにウェブサイトに掲載していますが、掲載することは容易です。また、機材の性能を説明するのも比較的簡単です。
本当に重要なのは、その機材をどう使うか、またどのように活用するのかです。浮気現場の写真や動画は、裁判での証拠能力が高いため、証拠として使えるだけの品質が求められます。
顔がぼやけていたり、音声が聞き取りづらいなど、機材の性能が高くても内容が不十分であれば、証拠としては弱いものになります。高性能の機材がいいというよりも、目的(証拠)のためにきちんと活用できているかが大切です。
過去の成功実績と誠実さで選ぶこと
大手の探偵でなければいけない、というものではありません。依頼実績や成功実績が多いところは、調査に対する熟練度や専門知識の高さの現れでもあります。過去の成功実績が豊富で、誠実な対応をしてくれるなら安心して依頼できます。
探偵業務は高度な技術と専門知識が求められるため、経験豊富で実績のある探偵が、信頼性のある調査を提供できるでしょう。
長年の実績を持つ探偵は、様々なケースに対処してきているため、確実な調査手法を編み出しており、依頼者のニーズに合わせた調査内容等が期待できます。
浮気調査での成功事例が多数あり、調査の進捗状況や結果について、誠実で丁寧な報告をしてくれる探偵を選びましょう。また、料金体系も明確で、違法調査をしないことも重要です。
探偵社の探し方
信頼できる探偵を見つけるためには、友人知人の紹介だけでなく、インターネットでの検索や口コミ・レビューを活用することも効果的です。
さらに、面談時に確認すべき質問事項を整理しておくことで、適切な依頼ができるようになります。探偵の調査力だけでなく、法律知識や倫理観も重要な判断基準となります
オンラインでの探偵検索方法
オンラインで探偵を検索する際は、料金体系や調査内容について詳しく説明しているところを選ぶようにしましょう。
浮気調査の証拠収集には、法律に基づいた適切な調査が求められるため、違法な調査方法ではないか確認が必要です。探偵のホームページでは、調査の流れや料金体系、過去の実績などが掲載されているはずです。
これらの情報を詳細に確認し、信頼できる探偵を見つけましょう。また、オンライン上の口コミや評判も参考になります。複数の探偵を比較検討し、自分の状況に合った所を選ぶことが大切です。
口コミやレビューの活用法
口コミやレビューを活用することで、信頼できる探偵を見つけることができます。依頼者重視のサービス内容や明瞭な料金体系が評価されている探偵を選びましょう。
浮気調査には、依頼者との信頼関係が欠かせません。口コミサイトやレビューサイトでは、実際に探偵を利用した人の生の声を知ることができます。
依頼者への対応が丁寧で、調査の進捗状況や結果について誠実な報告をしてくれる探偵が高く評価されているはずです。また、料金体系が明確で、追加料金が発生しないことも重要なポイントです。
口コミやレビューを参考にすることで実態を知ることができ、信頼できる探偵を選ぶことができるでしょう。
面談時に確認すべき質問
面談時には、調査料金や調査方法、報告書の内容などについて詳しく確認することが大切です。不明点があれば、しっかりと質問しておきましょう。
浮気調査では、法律に基づいた適切な調査が求められるため、探偵の法律知識や倫理観も確認が必要です。面談では調査員の経験や実績、調査方法の詳細について質問するといいでしょう。
また、調査料金の内訳や支払い方法、追加料金の有無についても確認してください。報告書の内容や提出方法、証拠の取り扱いについても質問し、納得のいく回答を得ることが大切です。面談を通じて信頼性や調査能力を見極めましょう。
調査をする際の注意点
探偵に浮気調査を依頼する際は、調査の進捗を定期的に確認することや、調査対象である配偶者との接し方に気を付けなければいけません。
違和感を与えてしまうと、浮気の証拠を掴むチャンスを逃してしまう可能性があります。適切な調査が行えるよう探偵との連携もしっかりとりましょう。
調査の進捗を定期的に確認する
調査中は定期的に進捗状況を確認しましょう。調査の進捗状況を確認する際は、新たに収集された証拠の内容や、今後の調査方針についても説明してもらえたら安心できます。
また、定期的な進捗確認を行うことで、調査が適切に進められているかどうかを判断することができます。
調査対象である配偶者との接し方に気を付ける
調査中は、配偶者との接し方に気を付けてください。いつもと違う態度を取ると、相手も警戒してしまいます。配偶者に探偵による調査を悟られないよう、普段通りの生活を送りましょう。
ただし、配偶者との会話の中で、浮気の証拠につながるような情報を聞き出すことができれば、探偵に伝えておくことをおすすめします。
また、配偶者の行動に変化があった場合も連絡し、場合によっては調査方法の変更を検討してもらうようにしてください。
離婚問題解決のための探偵以外の選択肢
離婚問題を解決するには、探偵による浮気調査以外にも、カウンセリングや夫婦間調停、弁護士に相談するなど、さまざまな手段があります。
法的なアプローチを検討することで、より良い解決方法を見つけることができるでしょう。
貞操義務違反の問題は、法律の専門家である弁護士に相談することで、適切な解決策を見出すことができます。弁護士への相談でも、探偵からの浮気の証拠や報告書も役に立つでしょう。
離婚カウンセリングや夫婦間調停の活用
離婚問題を解決するためには、離婚に特化したカウンセリングや夫婦間調停を利用することが効果的な場合もあります。
調停では、調停委員が中立の立場から助言を行い、双方が納得できる条件で話し合いを進めることが可能です。夫婦の同居義務や協力義務を果たすためにも、夫婦間の対話を重ね関係改善の糸口が見つかることもあります。
このような第三者のサポートを通じて、円満な離婚に至るケースも少なくありません。また、調停でも探偵が提供した証拠が重要な役割を果たすこともあります。証拠がある場合とない場合では、結果も変わってきてしまいます。
確固たる証拠として、探偵の調査はあるに越したことはありません。
弁護士相談と法的アプローチの検討
探偵の浮気調査で得た証拠をもとに、弁護士にも相談することで解決の糸口が見えてくるケースもあります。
離婚の種類には、調停離婚・裁判離婚・協議離婚と3種類あります。離婚するとしても、法律の専門家である弁護士の助言が欠かせません。弁護士は、探偵による調査で収集された証拠を分析し、法的な観点から離婚問題の解決策を提案してくれます。
法的なアプローチを検討することで、より良い解決方法を見つけることができるかもしれません。また、慰謝料請求や財産分与、子どもの親権など、離婚に伴う様々な問題についても、弁護士の助言を得ることができます。
弁護士への相談でも、探偵による調査結果は有効な証拠となるでしょう。
まとめ
離婚する際に必要な浮気調査の証拠には、第三者に不貞行為だと伝えるために確実な証拠が必要となります。自分で証拠を集めようとすれば、違法行為になることもあります。
確実な証拠を集めるためには、調査力の高い探偵を選び、集めた証拠も正しく活用することです。離婚問題は複雑で難しい問題ですが、証拠収集には法律の知識と高度な調査スキルが求められます。
浮気の証拠を手に入れることは、離婚問題解決の第一歩です。一人で悩まずにまずはプロの相談員に相談してみてください。あなたの最適な解決方法が見つかるかもしれません。