浮気調査を検討されている方は、色んな心配事や不安に思っている事があるのではないでしょうか?ほとんどの方は探偵に調査を依頼するのは初めてでしょうし、相談をすることも今までは無かったでしょう。相談や質問をしようと思っても聞きにくい事もあるのかもしれません。
特に調査が失敗した場合はどうなるのか?という事は大変気になっている方が多いとお見受けします。本記事では浮気調査が失敗することはあるのか?そしてその場合にどのような対応をしてくれるのか?という事を解説しています。
目次
浮気調査が失敗する可能性はある
浮気調査を行うのはプロの探偵ですが人間です。ミスをする可能性はゼロではありませんし、ミスをしなくても運が悪くて失敗する事もあるのが調査です。
探偵のミスで失敗した場合を「探偵の過失による失敗」と言い、ミスをしなくても運が悪くて失敗したケースを「不可抗力の失敗」と言いますが、お金を払っているお客様からすると納得いかない場合もあるかもしれません。
調査が失敗した場合の取り決めは探偵によって様々ですが、一般的には以下のようなケースがあります。
- 探偵側に明らかな過失がある場合は全額返金する
- 探偵側に過失がある場合は一部返金する
- 不可抗力の失敗は返金対応しない
- 不可抗力の失敗でも一部返金する
- どのようなケースも返金対応はしない
探偵側に明らかな過失があるケースの代表例とは
- 建物の出入口の数に、十分対応できる人員数で監視しているにもかかわらず、対象者が出るのを見落とした為にその後の調査が不可能になった。
- 対象者を間違えて別人を尾行した。
- 徒歩尾行の際、警戒行動など何も無い状態で、探偵のミスが原因で見失った。
など
<探偵に明らかな過失があるケースの具体例>
調査方法 | 調査員2名の徒歩尾行 |
対象者の警戒 | なし |
失敗した内容 | 混雑したターミナル駅を尾行中に人ごみで対象者を見失った |
過失 | あり |
お金を貰って浮気調査を引き受けているプロの探偵として、警戒も無い対象者を混雑していたという理由だけで見失うのは、探偵側の明らかな過失と言わざるを得ない。
不可抗力のケースの代表例とは
- 建物の出入口の数より少ない人員数で監視する以外に方法が無く、依頼者にも説明の上で監視を行った結果、見ていなかった出口から出た為に捕捉が出来なかった。
- 探偵側の車両が間に合わない状態で、タクシーや迎えの車に対象者が乗り、後続のタクシーが捕まらなかった。または後続のタクシーで追尾を行ったが、タクシーの運転手の技量で見失った。
など
<探偵に過失は無く不可抗力と言えるケースの具体例>
調査方法 | 調査員2名の徒歩尾行 |
対象者の警戒 | なし |
失敗した内容 |
・対象者の立ち寄り先が大型ターミナル駅直結の高層ビルで出入口が多数あった ・依頼者に説明のうえメインとなる出入口を監視したが見ていなかった出口から出た |
過失 | なし |
調査員の数より建物の出入口の数が多い場合、探偵は出入する確率が高い箇所を選択して監視を行うのが通常です。この際に重要なのは依頼者に状況をあらかじめ伝えておき、可能であれば説明のうえ監視する場所を選択してもらうということも必要かもしれません。
探偵は起こり得るリスクと対応をあらかじめ説明しておく必要がある
基本的には探偵側に過失があるのかという部分が返金等の対応に関係してくるケースが多く、お客様からすると過失なのか?不可抗力なのか?という事は分かり難いのが現実かもしれません。
なので探偵は調査を行う前にどのような事が起こり得るのか?どういうリスクがあるのか?という説明をしっかりと行い、実際に調査が上手くいかなかった時には、その状況を包み隠さず説明する義務があります。
そしてその際にはどの様な対応になるのかを事前に伝えておかなければなりません。過失の有無にかかわらず一切返金対応しないという探偵もいますが、それはそれで契約の際にきちんと伝えて依頼者がその探偵を信用し納得していれば問題は無いと思います。
依頼後のトラブルになりやすい傾向として、契約を取る為に調査が必ず成功すると言い切ったり、いざ上手くいかないと失敗を素直に認めないケース、言い訳や隠蔽の様な報告をするケースが挙げられます。
大切なのは、調査は必ず成功する訳ではないと事前にきちんと伝えていること、そしてもし上手くいかなかった場合にはその事実を包み隠さずに伝え、状況を分かり易く説明でき、お客様が納得できる材料があるということ、そのうえでそれを次に生かせるのかという事ではないでしょうか。
浮気調査の失敗事例の解説
以下では、弊社がこれまでにセカンドオピニオン的な意味合いで相談を受けた浮気調査の失敗事例を、過失なのか?不可抗力なのか?という観点から解説しています。
依頼内容 | 夫の浮気調査 |
調査状況 |
・浮気相手との接触を確認した ・食事のあとタクシーに乗って移動した際に失敗 |
懸念される点 | 後続のタクシーに乗って追尾を試みたが失敗したとのことであったが、その際の状況が分かる写真や動画などが一切無かった |
弊社への相談内容
同案件を相談した某弁護士の紹介で弊社に訪れた相談者と、調査内容と調査手法の確認及び、不貞の証拠として通用するのかを検証、また、ミスがあったのならそれは探偵の過失なのか?不可抗力なのか?そしてその際の対応はどのようにするのが理想的なのかを検証した。
調査報告書を拝見させていただきました。この内容では証拠として弱いですね。
はい。弁護士さんにもそう言われて、御社をご紹介いただきました。
一週間調査を行って密会したのは一度きりなんですね、、、
そのチャンスを生かせなかったのは痛いですね。浮気相手と接触し食事をした後に、流しのタクシーに乗られたので、その後の追尾が出来なかったと報告書にありますが、お店を出てから流しのタクシーに乗り、その後走り去る一連の流れが分かる写真が無いのは説得力が無いですね、、、何か具体的な説明を受けましたか?
後続のタクシーで追いかけたが間に合わなかったと聞いています。
そうですか、、、食事をしていたお店をGoogleマップで調べましたが、通りに面しているわけではなく路地を少し入ったところにありますので、お店を出て目の前でタクシーに乗ることは出来ないと思います。通りに出るまでには移動する時間があったと考えられますので、その間の写真が一枚も無いことは探偵の過失が全くないとは言い切れないですね。もちろんその時の状況にもよるので一概には言えませんが。
普通だったら失敗しないですか?
状況的には失敗する場合もありますが、それはあくまでも後続のタクシーが捕まらなかった場合や、後続のタクシーは捕まったが追尾を行ったタクシー運転手の技量不足などが原因で見失ったケースがほとんどです。ただ、その場合でも食事を終えお店を出てタクシーに一緒に乗り込み、その後走り去る一連の流れが分かる写真や動画は必須と言える重要な証拠の部分ですので、それを撮り損ねたのは探偵のミスといってもよいと思います。
ミスなのですか?
今回のような場合ですが、浮気相手と食事をして、その後タクシーでの移動も想定しておくのが当たり前なのですが、後続のタクシーが捕まらない可能性も当然考慮しておかなければなりません。経験値の高い探偵であれば、お店を出て通りに向かう時点で一人は先回りをして、タクシーを先に確保しておく等の動きがあっても良いと思いますし、仮に予想外の場所で不意にタクシーに飛び乗られた場合でも、後続のタクシーを探すのは一人に任せて、もう一人は証拠撮影を優先するのが基本です。
そうですか、、、やはりこれでは証拠にはなりませんか?
この報告書では、浮気相手と食事をしたという事だけですので、残念ですが、、、例えばですが、食事をした後お店を出て、酒に酔った風な2人が腕でも組みながら通りまで歩き、その後タクシーに一緒に乗り、走り去る様子が証拠としてあれば、その後の事は定かではないにしても、何かあってもおかしくないと疑わせる材料になるのではと思うのですが、、実際その日は外泊したという事実があるのですから。でもこの報告書は文面ではそのような表現がありますが、肝心の写真が一切撮影されておらず説得力に欠けるのが正直なところです。これでは単なる友人と食事しただけでその後すぐに別れたと言い逃れされる可能性があります。
そうですよね、、、ですがデートをしたという1つの証拠にはなるとの事で、料金も満額請求されました。
探偵の過失なのか?それとも不可抗力なのか?というのは、調査の素人には分かり難い事なので、事前にきちんと説明を受け、それに納得しているかが大切なのですが、何か取り決めはありましたか?
いえ、特には、、、プロの探偵が行うので信用してほしいと。
満額というのはお店を出てタクシーで追尾をできなかったところまでの料金になりますか?
はい。
そうですか、でもそれ自体は特別おかしい対応ではないと思われます。実際に探偵が動いている部分の料金なので、、、ただ、お客様としては一週間調査を行ってやっと訪れたチャンスを逃したことが悔しくて納得いかないお気持ちもあると思います。出来ればその部分を考慮してもっと違う対応をしても良かったかもしれませんし、実際に探偵が行った事と現実に起きたことを、しっかりとお客様が納得されるまで説明を尽くす必要があると思います。
同じような場合、御社ではどのように対応されますか?
弊社では実際に調査で行った事と、起きた事実を正確にお伝えする事が何よりも大切と考えています。今回のケースでは起こった事実として、流しのタクシーに乗ったのでその後の追尾が出来なかったという事ですが、問題なのは実際に調査員がどのような行動を取ったのか?そしてその結果として追えなかったのであれば、それが仕方なかったのか?という事を依頼者が判断して納得できる材料があるのか?という事だと思います。そう考えるとこのケースでは状況を説明できる写真などが一切無く、また検証した感じでも探偵の判断ミスという印象が強いです。そして何よりお客様が納得されていないというのが一番の問題だと考えます。なのでこの場合であれば飲食店に入った部分までは客観的事実として証明できる写真等が撮影されていますので、そこまでの料金を請求させていただくのが妥当なのではと思います。
そうですよね、こちらは調査の素人なのでどうして失敗したのかが良く分からずモヤモヤしていましたが、必ず成功すると約束されているわけではなかったので、理由さえちゃんと分かれば良かったのかもしれません。そのように事実のみを包み隠さず説明していただき、ミスがあったのなら正直にお伝えくだされば納得がいったかもしれません。何だかスッキリしました。有難うございました。
浮気調査が失敗した場合の対応まとめ
いかがでしょうか?繰り返しになりますが大切なことは、契約をする前に調査を行う上でどのようなリスクがあるのか?失敗することはあるのか?その際にはどの様な対応になるのかを事前に確認しておくことだと思います。
優秀な探偵は相談段階でどのようなリスクがありどの様な事が起こり得るのか、そしてその場合はどのような対応を取りその後をどのように進めていくのかをしっかりと説明しています。プロは成功するのは当たり前と考えていますが、それが必ずでは無いこともわかっています。
なので成功した時の話よりも、もし万が一にでも失敗した時の事を考えています。慎重な人間ほどリスク管理がしっかりとできており、間違っても必ず成功するなどと安請け合いはしないものです。
浮気調査を検討されている方は、必ず成功するというような甘い言葉に惑わされず、むしろどのような場合に失敗するのかを確認するくらいの方が、探偵の実力を見極める事が出来るかもしれません。