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離婚調停中の浮気調査の起点となるポイント
調査を行う為には起点となるポイントが必要ですが、別居中の場合は相手の住まいが分からないケースが多くあります。
また、分かっていたとしても実際にはそこに住んでいないこともあり、例えば別居して実家に住んでいると言ってはいるが、実際はほとんど帰っていない場合などがあります。
次に起点となり得るポイントに勤務先がありますが、自営業で拠点が不規則なケースや、会社員の場合でもコロナ禍でテレワークが増えていたりと、昔の様に勤務先を張り込んで、定時になれば退社するといった働き方ではなくなってきている傾向もあります。
家庭裁判所からの尾行
離婚調停中の浮気調査で多くあるケースが、調停期日に家庭裁判所からの尾行を行うという方法です。
自宅が不明で勤務先からの尾行も難しい相手の浮気調査を行う場合、まずは今後の調査の起点となる自宅の特定を行わなければなりません。
調停期日であれば当日家庭裁判所に現れることは確定しており、当日欠席などが無い限りは尾行を行うことは可能です。
家庭裁判所での浮気調査の手法とは
一般の方は馴染みがない場所だとは思いますが、基本的に裁判所へは誰でも出入り可能です。
手荷物検査などはありますが調査員はカメラを持ち込むことも可能です。
調停は調停室で申立人と相手方が交互に調停員との話し合いが行われており、基本的には関係者のみが使用するものですが、現実は調停室や待合室にも立ち入りは可能で、実際に調査員は調停室や待合室で本人の姿を確認することもあります。
例えば東京家庭裁判所の場合、通常離婚調停が行われる家事部の調停室は12階から18階となっており、調停室と待合室の階数が異なっているケースなどもあります。
また東京家裁の場合は1階に出入口が2ヵ所、さらに地下1階には地裁へと続く連絡通路があります。地下には売店や食堂があり弁護士同伴で来ている相手方の場合は、調停後に打ち合わせを兼ねて食堂を利用し、そのまま連絡通路を抜けて地裁側に移動するといった経路を取ることもあり得ますので、建物全体を張り込むというよりは、調停室をピンポイントで監視するなど、調査としてはやりにくいシチュエーションになる事が多くあります。
相手が警戒している場合の浮気調査とは
相手側に弁護士が付いている場合、経験豊富な弁護士は調停期日に家裁から尾行される可能性があることをクライアントに忠告していることがあります。中には尾行されていることを前提で対策をしてきている相手もいて、様々な方法で尾行を撒くことを考えています。
以下では当社で取り扱った実例をもとに警戒行動を解説します。
実例1.
東京家庭裁判所16階調停室にて調査対象者の夫を確認しました。
現在はコロナ禍で調停室のドアは換気のため開けられており、夫の確認は容易に行うことが出来ました。
調停を終え弁護士同伴で1階に降りた夫は少し立ち話をした後、弁護士と別れ「日比谷公園」側の出口を出ました。出てすぐの「合同庁舎第6号館C棟前タクシー乗り場」にてタクシーに飛び乗った夫は周囲を確認する素振りを見せ後続のタクシーに乗車する人物を気にしているようでした。
ポイント
その場合は後続のタクシーを捕まえる必要があるのですが、タクシー乗り場が面している通り「都道301号線」はそもそもの交通量が少なく、タイミング良く流しのタクシーが捕まる可能性はほぼ無いと考えたほうが良いでしょう。
また待機のタクシーが2台以上いた場合でも警戒している対象者の場合は、急いで後続のタクシーに乗車し後を追ってくる人物を当然警戒します。
タクシーの運転手は尾行のプロではないので、見失わない為には対象者のタクシーの真後ろをベタ付けで走行せざるを得ません。なのでタクシー尾行になった時点で警戒している対象者の調査成功率は下がってしまうのです。
対応策としては事前にバイクを用意し「合同庁舎第6号館C棟前タクシー乗り場」付近に待機させておくことでしょう。警戒している対象者が車両で移動をする場合、調査班はバイクを使用して尾行することは必須で経験値の高い探偵は必ずその様な対応を取っています。
その後の動き
JR某駅前でタクシーを降りた夫は同駅構内に駆け込み、ホームに入線した電車に足早に乗り込みました。
電車内でも周囲を気にしている様子で車両を移動し、後を付けてくる人物がいないか確認を行っていました。
その後、私鉄の乗り換え口改札を通過した夫は真っ直ぐホームには向かわず、トイレや売店に立ち寄ったり意味もなく駅構内を移動しました。
同駅は人が少なく、意味もなく移動し引き返してくる夫に調査班も何度もすれ違い姿を見られる以外に方法はありませんでした。夫は最後の仕上げとばかりにホーム上を端から端まで移動し人物を確認した後、ホームに入線した電車にギリギリまで乗車せずドアが閉まる寸前に飛び乗りました。
調査班はその行動は予想できていましたが、あえて尾行を行わずその時点で調査を中断しました。
ポイント
調査員は透明人間ではありませんので、姿を見られているのにしつこく尾行を繰り返すとそのうちに必ず発覚してしまいます。
大切なのは警戒している対象者に調査員を断定させない事です。このケースでは夫は弁護士に忠告され、自身でもインターネットなどで事前に予習してきた警戒行動を入念に行っているのですが、現時点では尾行をされていた場合に備え全ての人物を疑っているだけで、本当に尾行されているとは気づいていません。経験値の高い探偵は、警戒はさせても断定はさせません。
断定されてしまうともうその後の調査が行えなくなってしまうことを分かっているからです。調査班は私鉄の乗り換え口までの移動経路や駅構内での様子で、同駅が本当にいつも使用している駅だということを悟りました。
無理にこれ以上尾行を継続して調査が発覚するより、同私鉄の沿線に居住しているということを収穫とし次回の調査に備えたのです。
次回期日の調査
今回も東京家庭裁判所16階調停室にて調停が行われました。
夫は前回と同じく警戒行動を繰り返しながら私鉄の駅まで移動しましたが、前回の収穫を生かし調査班は同駅のホーム上で待っている人員や、飛び乗ると予想される電車に予め乗車させておく人員を増員していました。
案の定、夫は前回と同じくギリギリに飛び乗った電車で最寄り駅まで移動しましたが、警戒行動をやりつくした様子でご満悦の夫は無警戒で帰宅し、無事自宅が判明しました。
実例2.
横浜家庭裁判所から妻の尾行調査を行いました。横浜家庭裁判所は裁判所内部での監視がやり難く、建物全体を監視することは規模的には可能なのですが、立地的に張り込みが困難な傾向にあり、家庭裁判所からの尾行を行うにはあまり適していない場所といえます。
調停を終え妻は単身で裁判所を出ました。周囲を気にしている事からやはり尾行を警戒している様子が窺えました。「JR京浜東北線」沿いの路地を歩き「石川町駅」に向かった妻は周囲の警戒しながら「横浜方面」のホームに向かいました。
ポイント
調停は何度か行われており妻は横浜家庭裁判所が初めてではありませんでした。やはり警戒をしている様子で「石川町駅」に向かうには細い路地を経由する必要があり、通行する人の数は少なく、振り返って後ろを歩いている人物を特定するには適しています。
その後の動き
妻は「横浜駅」で下車し、駅周辺の商業施設に入りました。どこにも立ち寄らず真っ直ぐにトイレに向かった妻は、なんと服装を着替えてトイレから出てきました。
調査班は一瞬別人と思いましたが、直ぐに妻と気づき尾行を継続しました。変装してもう安心だと考えたのか、妻は無警戒になりその後帰宅し、無事に自宅が判明しました。
ポイント
まず変装のやり方が甘く一見すると別人ですが、ポイントを絞って観察すると直ぐに分かってしまうレベルの変装だったこと、そして変装する為に選んだ場所が人気の無い商業施設のトイレだったのが失敗でした。
これがもし人が絶え間なく行き来するターミナル駅のトイレだった場合は、一瞬で何人もの人がすれ違う状態なので、もしかすると調査員の眼をくらますことも可能だったかもしれません。
このように警戒行動を取る人間は多いですが、実際に尾行をされた経験は無く、リアルが分かっていない状態の対象者が多いのが現状です。やはり大切なことは、警戒はさせても断定は絶対にさせないということでしょう。
まとめ
このように離婚調停中の家庭裁判所からの尾行には警戒行動が多く見られます。
しかし何故そこまで警戒するのかと考えると理由は1つで、調べられると困るからです。事例で解説したような警戒行動を取る対象者に共通していることは、隠している別居先ですでに浮気相手と同棲しているケースや、少なくとも出入りさせているケース、中には用心して自宅に入れない対象者でも、浮気はしていて外で密会をしているケースがほとんどです。
経験値の高い探偵は無理をせず段階を踏んで調査を進めていくことを選択し、結果的に安全に証拠を掴みます。
離婚調停は平均で5~6回、最も短くても3回程度は行われるのが通常です。警戒心が高く探偵の尾行を確認する様な対象者を、一発で仕留めようと無理をして調査が発覚し、その後の調査が不可能になるような下手を打つことはありません。
当社は離婚調停中の浮気調査に於いて豊富な経験と実績があります。お悩みの際は一度ご相談ください。