もしパートナーの不倫現場を目撃してしまった場合、どのように感じるでしょうか?
愛するパートナーの裏切りに大きなショックを受けて、対処法がわからなくなってしまう方もいるのではないでしょうか。
また、夫婦仲が良くなかったり、旦那に浮気の兆候があったりと、心当たりのある場合には、不倫の制裁として慰謝料請求をしようと考えられるかもしれません。
しかし、慰謝料請求をするためには、証拠の収集が重要です。
有効となる証拠を押さえられているかどうかで、慰謝料請求の可否は決まります。
そこで今回は、不倫現場を目撃した時の対処法と証拠の収集方法をそれぞれご紹介します。
目次
浮気の現場を目撃した時の対処法
パートナーの浮気現場を目撃した時、どのように対処をすればよいか分からない方も多いのではないでしょうか。
特に、自分の目で浮気現場を直接目撃してしまった場合は、動揺や怒りから冷静になれずに、混乱してしまうことがあります。
そこで、実際に浮気現場を目撃した時の対処法を確認していきましょう。
浮気現場を目撃するケース
まずは、浮気現場を目撃するケースにはどういったものがあるかを確認してみましょう。
街中で親密にしているところを目撃した
はじめに考えられるのが「街中で浮気現場を目撃する」というパターンです。
道を歩いている時や買い物をしている時に、たまたまパートナーと別の異性が手を繋いでいるところを目撃するというケースは往々にしてあります。
場合によっては、ハグやキスをしているところを目撃してしまうこともあるかもしれません。
浮気現場を目撃する場所として、最も多いと考えられるのが街中です。
ラブホテルに入っていくところを目撃した
パートナーと別の異性が「ラブホテルに入っていくところを目撃する」という場合もあります。
ラブホテルは性行為を目的とした施設です。
2人で食事や買い物をしているだけならまだしも、ラブホテルに入ったということは浮気をしていることは確実といえるでしょう。
自宅に帰ると浮気相手がいた
「自宅に帰ると浮気相手がいた」というパターンも実際に存在します。
普通に座って話をしているだけであれば、浮気と決めつけることはできません。
しかし、キスや性行為をしているところに出くわすケースもあります。
当然このような場面を目撃すると、相手は浮気の言い逃れはできないでしょう。
まず冷静になる
偶然パートナーの浮気現場を目撃してしまった場合、突然の出来事に動揺してしまう方も多くいます。
また、「浮気をしているのではないか」と疑いを持っていたとしても、実際に目の前で浮気現場を目撃すると、冷静ではいられなくなるものです。
浮気現場を目撃した時には、裏切られたことに対しての失望や怒り、驚きなどさまざまな感情が込み上げてきます。
しかし、ここでまず意識したいのは「冷静になる」ということです。
感情が込み上げるのは当然のことで、それを押さえるのは難しいかもしれません。
特に、パートナーを愛する気持ちが強いほど、たくさんの感情が込み上げてくるでしょう。
しかし、冷静でいられなければ、誤った対処をしてしまい、結果的に自分が不利になってしまいます。
その後に正しい対処をするためにも、感情をぐっと押さえて、まずは一度冷静になりましょう。
証拠を記録する
浮気現場を目撃した際には、その現場を証拠として記録しておきましょう。
パートナーの不倫が原因での離婚や慰謝料請求には証拠が必要になります。
もしパートナーとの離婚を考えていない場合であっても、不倫がバレたことでパートナーが開き直り、結局は後から離婚をするというパターンもあります。
また、パートナーと離婚をしなくても、浮気相手に対しては慰謝料請求ができます。
どのような選択をとるかは後から考えることができますが、その時に証拠がなくては対処できません。
その場で瞬時に判断することはかなり難しいとは思いますが、できれば写真や動画、音声などで、必ず証拠として浮気現場を記録しておきましょう。
浮気相手の身元を確認する
浮気現場に遭遇した場合には、浮気相手の身元を確認しておきましょう。
弁護士を通して浮気相手と示談交渉を行う場合、浮気相手に対して内容証明を送付することになります。
この内容証明は、浮気相手の住所がわからなければ送付することができません。
また、訴訟を起こす場合でも、裁判所に対して訴状の提出が必要となります。
訴状の記載項目には、訴訟相手の氏名や住所、電話番号、勤務先などの項目がありますが、このうち「相手の氏名と住所」は必ず記載が必要です。
そのため、「浮気相手の氏名と住所」を確認しておき、可能であれば「電話番号や勤務先」も確認しておきましょう。
この時に、責任逃れをするために、浮気相手が嘘の情報を伝える可能性があります。
正しい情報を確認するために、相手に許可をとった上で、免許証や保険証などの提示を求めてみましょう。
ただし、相手の許可を得ず勝手に免許証を抜き出したり、相手が拒んでいるのに無理やり聞き出すといったことはしないよう注意しましょう。
今後の対応を決める
現場を目撃してパートナーの浮気が発覚した後は、今後の対応を決めておく必要があります。
離婚をするかどうかを決め、子どもがいる場合はその後の生活も見据えておかなくてはなりません。
もし離婚をすると、生活に大きな変化が生じます。
自分とパートナーはもちろんですが、子どもに対しても大きな影響を与えることになります。
そのため、その場の感情だけで早計に決めるのではなく、子どもや将来のことも考えて、慎重に検討しましょう。
また、離婚をするのであれば、慰謝料請求が考えられます。
「慰謝料請求が認められるような証拠が揃っているか」、「探偵や弁護士へ依頼をするか」といった今後の慰謝料請求の流れも決めておきましょう。
話し合いの場を設ける
今後の対応が決まった後は、浮気をしたパートナーと話し合いの場を設けましょう。
浮気をしたことには必ず動機があるはずです。
まずは、パートナーから浮気をした動機を聞いてみましょう。
先に離婚をすると決心していても、相手が誠意を持って反省していると見受けられる場合には、今回のみ許してやり直すというのも選択肢のひとつです。
しかしこの時、相手が、その場しのぎのために口先だけで謝っている場合もあります。
表面上謝っているだけであれば、再度不倫を繰り返す可能性は高いでしょう。
言動だけではなく、相手の態度なども考慮した上で判断をしましょう。
慰謝料請求をする
話し合いが済んだ後は、実際に慰謝料請求に移ります。
離婚をするのであれば、パートナーと浮気相手に、パートナーを許すのであれば浮気相手に、それぞれ慰謝料を請求します。
まずは示談交渉をおこない、合意ができなければ訴訟を起こすという流れが一般的です。
自力で慰謝料請求も可能ですが、浮気相手と直接交渉をしたり、裁判の手続きをしたり、法的な知識が必要になったりと、かかる負担は大きなものになります。
もし自分だけでは対応できないと考えた場合は、弁護士に依頼をするのが得策です。
弁護士であれば、法的知識を駆使して、相手との折り合いをつけることができます。
また、相手が示談交渉を拒否した場合でも、裁判に必要な手続きを一任することができます。
効果的に証拠収集する方法
実際に浮気現場を目撃しても、それを証明する客観的な証拠がなければ、不倫の事実を立証することはできません。
そのため、浮気現場を目撃した時は、必ず現場を証拠として押さえておくように意識しましょう。
浮気現場を目撃するケースには、「鉢合わせなどで相手と遭遇する場合」と「こちらが目撃していることに相手が気付いていない場合」があります。
効果的に証拠を集める方法は、それぞれのケースによって異なります。
実際の方法をそれぞれのケースに分けてご紹介していきます。
自分だけが気付いたケース
街中で遠目から目撃したり、ラブホテルに入っていくところを目撃したりと、こちらが浮気現場を見たことに相手が気付いていないケースがあります。
このように相手が気付いていない場合は、無理に浮気現場に乗り込まないように心がけましょう。
もし浮気現場に乗り込んでしまうと、こちらが不倫に気付いたことが相手にバレてしまいます。
この段階では、確実な不倫の証拠を押さえられる確証はありません。
後から証拠を集めようとしても、相手が勘付かれていることに気づいて証拠隠滅を図り、証拠を手に入れられなくなってしまうことがあります。
そのため、相手が気づいていない時には、まずは「バレないようする」ということを意識しましょう。
その上で、もし可能であれば、不倫の証拠を記録します。
ただし、写真や動画などで隠れて撮影していることがバレてしまえば、プライバシーの侵害として罪に問われる可能性があります。
また、証拠を残したいという思いから、他人が所有している建物内に入って調査をしてしまうと、不法侵入に該当します。
万が一、その場で浮気現場を記録できなくても、相手に現場を目撃したことがバレていなければ、後から証拠集めをすることができます。
こういった理由から「浮気現場を目撃しても相手にバレないようにする」ということを第一に心がけるようにしましょう。
浮気現場に鉢合わせたケース
次に浮気現場に鉢合わせるケースです。
まずは、パートナーと浮気相手に不倫の事実を確認しましょう。
相手が不倫を認めれば、その事実を話している様子を動画や音声で記録するといった方法で、浮気現場を証拠として押さえておきましょう。
裸でベッドに入っているといったように、第三者が一目見て浮気だと分かるようなものであれば、写真で押さえておくことも有効です。
このように浮気現場を記録として残しておくことで、不倫の事実を立証する際に有効となります。
浮気現場を目撃した時に気を付けること
浮気現場を目撃した時に、何も考えず先走った行動をとってしまうと、却ってこちらが不利な立場に立たされることがあります。
こういったことが起きないように、注意しなくてはならない点がいくつかあります。
ここでは、浮気現場を目撃した時に気を付けることをそれぞれご紹介していきます。
感情的にならないようにする
浮気現場を目撃した時には、必ず「感情的にならないようにする」ということを心がけましょう。
感情に任せて行動してしまい、トラブルに発展してしまうケースが実際にあります。
たとえば、浮気現場を目撃したことで怒りが込み上げ、現場に乱入し、浮気相手に対して暴言や暴行を吐いてしまうといったケースです。
このような行動をとってしまうと、不倫の証拠を押さえることができないどころか、却ってこちらが罪に問われてしまうことになります。
事実確認を行う
次に「本当に浮気をしていたのか」という事実確認をしっかりと行うようにしましょう。
自分では不倫と考えていても、実際には不倫でなかったという場合があります。
たとえば、街中でパートナーが異性の身体に触っているところを目撃すると、不倫を疑ってしまうかもしれません。
しかし、事実を確認してみると、異性は職場の同僚で、怪我をしたから手当をしただけということも考えられます。
一度不倫と決めつけてしまうと、相手が説明をしても、すべて言い訳をしているように聞こえます。
不倫が疑われるような現場を目撃しても、早まった行動をとらず、事実確認をしっかりと行うように心がけましょう。
パートナーの言い分を聞く
不倫は許されることではありませんが、必ず動機や理由があるはずです。
愛するパートナーの裏切りによって、「言い訳なんて聞きたくない」と思ってしまうのも無理はないでしょう。
しかし、たとえば「夫婦関係が冷え切っていた」というのが不倫の原因であった場合はどうでしょうか。
その原因がすべて相手だけにあるとはいえません。
他にも、家庭内でパートナーの立場がなく孤立してしまっているといった場合には、相手への配慮を怠ったことに対して少なからず責任はあるでしょう。
理由を聞いて納得することで、今後の夫婦関係を見つめなおし、再度やり直すことができるかもしれません。
一度、パートナーの言い分を聞いてみるということも意識してみましょう。
度が過ぎた言動や行動をとらないようにする
浮気現場を目撃した時にもっとも注意したいのが「度が過ぎた言動や行動をとらないようにする」ということです。
裏切りをした相手に対して、怒りをぶつけたいと考えるのは当然です。
しかし、ここで相手に対して度が過ぎた言動をとってしまうと、脅迫とみなされてしまうことがあります。
また、その後に浮気相手を付け回したり、嫌がらせをしたりといった度が過ぎた行動をすると、ストーカー行為に該当してしまいます。
場合によっては、名誉毀損罪や脅迫罪といった罪に問われてしまうかもしれません。
不倫は法律に背く許されない行為ですが、それに対してこちらも法律に背く行為をとってしまっては元も子もありません。
不倫に対して制裁をしたい場合は、法律に沿った正当な方法によって制裁をしましょう。
浮気・不倫の証拠とは
これまで、浮気現場を目撃した時の対処法をご紹介してきました。
浮気現場の目撃後に、離婚を言い渡したり、慰謝料請求をするためには、浮気・不倫の証拠が必要になります。
しかし、証拠を集めるためには、そもそも「どんなものが証拠になるのか」を知っておかなくてはなりません。
そこで、浮気・不倫の証拠とはどういったものかをご説明していきます。
不貞行為の定義
まず押さえておかなくてはならないのが「不貞行為の定義」です。
「不貞行為」は浮気・不倫の法律用語とされており、民法の条文にも記載があります。
この不貞行為の定義は、「配偶者をもつ男女が、自由な意思に基づいて、配偶者以外の異性と性的関係を結ぶこと」であるとされています。
一般に使われる「浮気・不倫」という単語は「どこからが浮気・不倫に当たるか」といった定義が曖昧ですが、「不貞行為」は明確に定義がされています。
離婚や慰謝料請求は法的な問題となるため、「不貞行為」の定義をしっかりと押さえておきましょう。
不貞行為が成立する条件
「不貞行為」の定義を確認しましたが、この定義から不貞行為が成立するためには、
①配偶者がいる
②配偶者以外と肉体関係がある
③自分の自由意志でおこなっている
という3つの条件が必要であることがわかります。
たとえば、結婚をしていない交際関係の男女が浮気をしても、「配偶者がいる」という条件を満たしていないことになり、不貞行為は成立しません。
他にも、その肉体関係が強姦によるものであった場合は、「自分の自由意志でおこなっている」という条件に当てはまらないため、当然不貞行為には該当しないことになります。
相手の不貞行為を理由に離婚や慰謝料請求を行う場合には、これら3つの条件を満たしているかを確認しておきましょう。
慰謝料請求する際に必要な証拠のポイント
不貞行為を理由に慰謝料請求を行う場合には、「不貞行為をしていた」という事実の立証が必要です。
この事実の立証をするためには、客観的な証拠が必要です。
証拠がなければ不貞行為の証明はできず、結果的に慰謝料請求は認められません。
証拠が必要であることを踏まえた上で、慰謝料請求をする際に必要な証拠のポイントを確認していきます。
肉体関係を立証する必要がある
まず押さえておきたいポイントが「配偶者と不倫相手の肉体関係を立証する必要がある」という点です。
これはご紹介した不貞行為の条件とも重なりますが、特に勘違いが起きやすい部分です。
たとえば、「キスをしただけでも不倫になり慰謝料請求できる」といった勘違いです。
実際にはキスだけで肉体関係は認められないため、不貞行為は成立せず、慰謝料請求は認められません。
証拠を集める際には「肉体関係の立証が必要」という点を意識しましょう。
証拠が複数あれば有力になる
証拠集めの際には、可能な限り多くの証拠を集めておきましょう。
不貞行為が理由による裁判の勝敗は「不貞行為が立証できるかどうか」によって決まります。
最終的に判断を下すのは裁判官であるため、有力な証拠は数が多いほど有利になります。
ひとつ証拠を見つけたからといってすぐに慰謝料請求をするのではなく、さらに多くの証拠を手に入れることができないか探ってみましょう。
探偵に相談をする
ここまで、どういったものが証拠となるかをご説明しました。
しかし、実際に裁判で使える証拠を自力で集めることは、困難である場合が多いです。
特に、隠し撮りや聞き取りといった調査をしなければ確実な証拠が押さえられないケースもあり、リスクも伴うことになります。
「もっと安全で確実に証拠集めがしたい」と考える方もいるのではないでしょうか。
そんな時には、一度探偵への依頼も検討してみてください。
探偵は法的に定められた「調査のプロ」です。
費用こそかかるものの、探偵へ依頼をすれば、安全かつ確実に有効な証拠を入手することができます。
もし自力での証拠集めが難しいと感じた場合には、探偵への依頼も視野に入れてみましょう。
事例(妻の不倫を夫が目撃したケース)
Aさんは仕事が忙しく、遅い日には終電近く、早くても21時頃の帰宅が当たり前になっていました。
しかし、たまたま仕事がうまく片付き、数ヶ月ぶりにAさんは定時で仕事を終えることができました。
妻であるBさんを驚かせようと、Aさんは何も伝えずにまっすぐ家に帰ります。
そして、Aさんが家に入ると、なんとBさんは見知らぬ男性と裸で抱き合っていました。
Aさんはすぐに問い詰め、状況から言い逃れはできないと観念した2人は不倫を認めます。
そこでAさんは、2人が不倫関係にあったことを説明する音声を録音し、証拠として記録しました。
その後、Aさんは離婚と慰謝料請求を決心し、探偵に相談をしました。
より確実に慰謝料請求を行うために、多くの証拠が必要であると判断したAさんは、そのまま探偵に調査を依頼します。
迅速に動いたことで、Bさんと不倫相手がベッドで撮影した写真や不倫が明らかなトーク履歴など、複数の証拠が見つかりました。
最終的にこれらの証拠から不倫の事実は認められ、Aさんの離婚と慰謝料請求は認められることになりました。
まとめ
今回は、不倫現場を目撃した時の対処法と証拠の収集方法をそれぞれご紹介しました。
実際に不倫現場を目撃した時に、もっとも大切なのは「冷静になること」です。
頭では冷静になろうと考えていても、愛するパートナーの不倫を目の前で目撃することで、動揺してしまうケースはよくあります。
まずは気持ちを沈めて冷静になったうえで、落ちついてその後の対処法を検討し、証拠集めをしましょう。
正しく対処をすることで、正当な手段によって不倫をしたパートナーと不倫相手に制裁を与えることができます。