浮気調査において、決定的な証拠となるのが写真です。しかし、二人きりでいる場面の写真だけでは証拠として不十分です。
この記事では、どのような写真が証拠として有効か、撮影のポイントや注意点、撮影のための必需品、証拠写真が決定打となった事例、探偵への相談方法まで、詳しく解説します。
有効な証拠写真は、裁判や慰謝料請求を有利に進める助けとなります。ぜひ証拠収集にお役立てください。
目次
浮気調査の証拠写真が重要な理由
浮気を証明するためには、客観的な証拠が必要です。特に写真は、その中でも浮気の事実を立証できる非常に強力な証拠となり、離婚調停や離婚裁判、慰謝料請求、財産分与を有利に進める上で、極めて重要な役割を果たします。
より具体的には、浮気の証拠になり得るのは次のような写真です。
- 不貞行為の現場
- 浮気相手とのデート現場
- 手をつないでいる、キスやハグをしている
- パートナーと浮気相手が一緒にホテルに出入りしている
- パートナーが浮気相手の自宅に出入りしている
- 同僚や友人以上の親密な男女関係を推測させる態度や行動
- SNSのDMやLINEのメッセージ、メールなど
また、撮影した写真が浮気の証拠として認められるためには、撮影方法や内容について満たすべき条件や注意点があります。
どのような写真が有効になるかを意識して撮影することで、効果的に証拠を入手できます。
証拠になる写真
浮気を疑う状況や理由があっても、証拠がなければ浮気を証明することはできません。そこで、決定的かつ強力な証拠となるのが写真です。
浮気調査で撮影すべき、証拠になる写真の特徴を解説します。
人物・場所・時間が特定できる写真
写真が有効と認められるためには、反論や言い逃れができないものであることが重要です。写っている人物、場所、時間が特定できる写真は、証拠として有効になる可能性が高くなります。
1. 人物が特定できる
- パートナーと浮気相手の顔や服装がはっきりと写っている
- 浮気相手の氏名や車のナンバープレートなど、個人情報が写っている
2. 場所が特定できる
- ホテルや自宅の住所が分かる街区表示板が一緒に写っている
- 周囲の建物の外観や店舗の看板が写っている
- 有名な観光地や宿泊施設が背景に写っている
3. 時間がが特定できる
- 撮影日時が記録されている
- 時刻が表示された時計が一緒に写っている
- 写っている店舗の営業時間など、周囲の状況から時間が推定できる
例えば、ホテルや相手の自宅に出入りする写真は、浮気の証拠として非常に有効です。
パートナーと浮気相手が一緒に写っている、顔が正面からはっきりと見えている、服装や持ち物が分かるように全身が写っている、ホテルや自宅の住所が特定できる情報が写っている、撮影日時が写真に印字されているなどの場合は、有効な写真として認められるでしょう。
親密な関係が分かる写真
写真が浮気の証拠として認められるには、写っている二人の親密な関係が、容易に推定できる写真であることが重要です。単なる仲の良い同僚や友人である、という言い訳ができない写真は、証拠として有効になる可能性が高くなります。
不貞行為
不貞行為を始め、単なる同僚や友人とは行わない行為を写した写真から、親密な関係が分かります。実際の性行為を直接撮影することは難しく、プライバシーの問題から法的リスクも高いため推奨されませんが、次のような行為の写真は、不貞行為を強く示唆するため証拠となります。
- 恋人つなぎで手をつないでいる
- キスする、抱き合う、肩を寄せ合うなど、スキンシップがある
- ラブホテルや自宅に出入りしている
- 車内や人気の少ない場所で密会している
旅行
二人で旅行している様子や、団体旅行中に二人だけで過ごしている様子を捉えた写真は、親密な関係を示す証拠となります。
- 旅行先で一緒に観光している
- 宿泊施設でチェックイン、チェックアウトをしている
- 宿泊施設で同じ部屋に出入りしている
- パートナーと浮気相手が家族風呂を利用している
DM・LINE・メール
相手との親密なやり取りが分かるSNSのDM、LINEのメッセージ、メールのスクリーンショットや写真は、親密な関係を示す証拠となります。
ただし、単独では証拠として弱いため、他の写真や動画などと組み合わせることが重要です。また、許可なく相手のパソコンやスマホを操作することは、法的な問題が発生する可能性があるため避けましょう。
- 手紙や高価なプレゼントを渡している
- 相手への好意をはっきりと伝えている
- デートや旅行の約束をしている
- 不貞行為に示唆または言及している
- 別れや離婚の意志を伝えている
虚偽の申告が分かる写真
パートナーが浮気相手と過ごすためについていた嘘を裏付ける写真は、浮気の証拠として有効になる可能性が高くなります。
- 残業と言っていたのに、浮気相手とデートしている
- 出張と言っていたのに、浮気相手と旅行に行っている
- 趣味の仲間と会うと言っていたのに、浮気相手の自宅に出入りしている
善意の第三者が撮影した写真
共通の友人や知人など、当事者以外の善意の第三者が撮影した写真は、計画的に撮影されたものではないため、信憑性が高いと判断される可能性があります。ただし、撮影者の証言が必要となる場合があります。
また、弁護士や探偵など専門家に依頼して撮影した写真も、客観性と信頼性が高く、証拠として有効になる可能性が高くなります。
- 友人が、パートナーと浮気相手がホテルに入る様子を見かけて撮影した
- 遠方に住む知人が、地元でパートナーと浮気相手が旅行している場面に遭遇して撮影した
- 街頭や自宅の防犯カメラ、店舗の監視カメラに映った
証拠にならない写真
強力な証拠になり得る写真も、その質や信憑性、記録された内容によっては、証拠として認められない場合があります。
せっかく撮影した写真を無駄にしないために、証拠にならない写真の特徴について、予め理解しておく必要があります。
人物・場所・時間が明白でない写真
写真が有効と認められるためには、人物、場所、時間が特定できる写真であることが重要です。
これらが明白でない写真は、浮気の事実を裏付ける証拠としては不十分とみなされ、無効になる可能性が高くなります。
1. 人物が明白でない
- パートナーと浮気相手の顔や服装が判別できない
- 後ろ姿のみ、手や足など体の一部分のみが写っている
- 暗い場所や夜間の撮影で、鮮明ではない
- 遠距離からの撮影や人混みの中での撮影で、鮮明ではない
- ピントが合っていない、動きがあるなど、ぼやけている
2. 場所が明白でない
- 人物だけが写っている
- ホテルや自宅の室内など、建物の内部しか写っていない
- 周囲の景色や建物が写っていない、ぼやけている
3. 時間が明白でない
- 撮影日時が記録されていない
- 時間が推定できる時計や店舗などの要素が写っていない
- 季節が推定できる景色が写っていない
- スクリーンショットに日時情報が含まれていない
例えば、ホテルや相手の自宅に出入りする写真は、浮気の証拠として認められやすいものですが、パートナーと浮気相手の顔や服装が不鮮明、後ろ姿しか写っていない、二人一緒の写真がない、二人の姿がクローズアップされていて背景が見えない、背景に特徴がない、撮影日時が明白でないなどの場合は、有効な写真として認められにくくなるでしょう。
浮気と言い切れない写真
写真が有効と認められるためには、パートナーと浮気相手の親密な関係が、容易に推定できる写真であることが重要です。
二人で一緒にいるというだけでは、浮気の事実を裏付ける証拠としては不十分とみなされ、無効になる可能性があります。
1. 日常的な接触
- 二人で食事をしている
- 二人で映画を見ている
- 電車で隣に座っている
2. 軽度のスキンシップ
- 手をつないでいる
- ハグをしている
- 頬にキスをしている
3. 曖昧な状況証拠
- 深夜に二人で歩いている
- 車内で会話している
- ホテルのロビーにいる
加工・編集した写真
写真が有効と認められるためには、撮影された写真が真に事実を反映していることを証明するため、加工・編集していないオリジナルの写真を撮影することが重要です。
画像編集ソフトなどを使用して加工・編集した写真は、事実誤認を招く恐れがあり、証拠としての信頼性を著しく損ないます。無効になる可能性が高くなるだけでなく、証拠捏造とみなされる可能性もあります。
- 撮影日時を改ざんしている
- 写真を切り抜いて合成している
- 人物の顔や服装を変更している
- 背景を変更している
- 色、明るさ、コントラストを調整している
違法な方法で撮影した写真
写真がどのような方法で撮影されたかについても、証拠として有効と認められるかの重要な判断基準となります。違法な方法で撮影された写真については、写真の内容としては証拠になり得るものであっても、証拠として採用されない可能性があります。
撮影方法についても、細心の注意を払う必要があります。
1. 盗撮による撮影
- 自宅や車内に隠しカメラを設置する
- 浮気相手の自宅敷地内を無断で撮影する
- ホテルや公共のトイレなどの室内を無断で撮影する
2. 不法侵入による撮影
- 浮気相手の自宅敷地内に無断で侵入する
- ホテルの部屋に不法侵入する
3. 不正アクセスによる撮影
- パソコンやスマホをハッキングする、無断でログインする
- パソコンやスマホのパスワードを盗む
- クラウドストレージ内の写真を無断で取得する
浮気の証拠写真を撮影するポイント
撮影した写真が離婚調停や裁判、慰謝料請求などで証拠として認められるようにするために、撮影の際に意識すべき3つのポイントを紹介します。
顔が分かるように撮る
証拠写真を撮影する際は、パートナーと浮気相手の顔や服装が判別できるようにし、浮気の事実を明確にすることが重要です。次のことに留意しながら、鮮明な写真の撮影を心掛けましょう。
- 顔が分かるように、できるだけ正面から撮影する
- できるだけ近くから撮影する
- ズーム機能を使用して、顔がはっきりと写るようにする
- 手ブレ補正機能を使用して、写真がぼけないようにする
- 連写機能を使用して、より鮮明な写真を追求する
- 顔や服装が分かるように、明るい時間や場所で撮影する
- 人物にしっかりとピントが合っていて鮮明な写真を抽出する
場所・時間・状況が分かるように撮る
証拠写真を撮影する際は、写真から撮影場所、撮影日時、浮気を示唆する状況が分かるようにして、浮気の事実を明確にすることが重要です。証拠写真の信憑性と説得力が増し、裁判や慰謝料請求で有利に働く可能性が高くなります。
次のことに留意して、必要な情報を残すよう心掛けましょう。
1. 場所
- デジカメやスマホの位置情報機能でGPSタグを付ける
- 背景や周囲の風景を入れる
- 周囲の特徴的な建物や店舗、道路標識などを入れる
- 周囲で開催中のイベントなどがあれば入れる
- パートナーと浮気相手が出入りしたホテルの看板や外観を入れる
- 浮気相手の自宅の部屋番号、表札、建物全体、街区表示板を入れる
2. 時間
- カメラの機能で撮影日時を記録する
- 日時を特定できる時計、電光掲示板、カレンダーを入れる
- 日時を特定できるイベントや周囲の店舗を入れる
- 浮気の事実を時系列的に整理できるように撮る
3. 状況
- パートナーと浮気相手が一緒にいるところを撮る
- 二人掛けの席、個室など、二人きりであることが分かるように撮る
- 手をつなぐ、キスやハグをするなど、親密な様子が分かるように撮る
- ホテルや浮気相手の自宅に出入りしている様子を撮る
- 深夜や早朝に出入りしている様子を撮る
- 頻繁に出入りしていることが分かるように、異なる日時に撮る
- 複数の角度から撮る
できるだけ多く撮る
有効な証拠と認められる理想的な内容の写真であっても、一枚だけでは偶然の可能性を否定できず、証拠として不十分とみなされる可能性があるため、できるだけ多く撮影しておくことが大切です。
写真が複数あることで、パートナーと浮気相手の行動パターンや関係の深刻さをより詳しく記録し、浮気の事実をより強く立証できます。写真がたくさんあれば、紛失や破損の場合のリスクを回避することもできます。
- 複数日、複数回の密会を撮る
- 複数の場所、複数の状況で撮る
- 複数の角度から撮る
- 分刻み、時間刻みで定点撮影する
- 一連の行動を連続撮影する(ホテルに入ってから出るまで、密会場所までの全行程など)
- 近くから撮影し、顔や表情、服装など細部をはっきり撮る
- 遠くから撮影し、背景や周辺環境を含めて撮る
浮気の証拠写真を撮影する時の注意点
浮気調査の写真撮影にあたり、大切な注意点として、有効で確実な証拠写真を撮ること、法的リスクを犯さないことが挙げられます。
次のことを考慮して、慎重に行動しましょう。
入念な準備をする
浮気調査において最も重要なことは、パートナーと浮気相手の行動パターンを把握して、入念な準備をすること です。行動パターンを把握していなければ、撮影の機会を逃したり、相手を警戒させたりする可能性があります。
そのためには、二人の生活リズム、行動範囲、よく利用する場所と時間帯などの事前調査と計画が必要です。
- パートナーの普段の発言や行動、様子をよく観察する
- SNS、スマホ、パソコンなどを確認する
- 浮気相手について、可能な限り情報収集する
- 平日と休日の行動パターン、発言とリンクした行動パターンを見つける
- 撮影場所の下見をする
- 必要な機材を揃える(カメラ、予備バッテリー、望遠レンズなど)
- 複数回、尾行や張り込みができるようスケジュール調整する
相手に気付かれないようにする
浮気調査で決定的な証拠を入手するためには、尾行や張り込みが欠かせません。しかし、パートナーや、時に浮気相手にも顔を知られているため、相手に気付かれるリスクは非常に高いと言えます。気付かれてしまうことで調査が進められなくなったり、証拠隠滅を図られたり、場合によってはプライバシーの侵害などで逆に訴えられるという可能性もあります。
相手に気付かれず、安全かつ効果的に写真撮影を行うためのポイントを説明します。
1. 適度な距離を保つ
尾行や張り込みだと思われないように、状況に応じて距離を調整することが大切です。近付きすぎると、相手が不審に思って気付かれやすくなり、遠すぎると、撮影がしにくくなります。相手の様子を把握しにくいため、予想外の行動に迅速に対応することも難しくなります。適度な距離を保ちましょう。
2. 目を合わせない
直接目を合わせてしまうと、相手が尾行を疑って気付かれやすくなります。目を合わせないように、相手の視線に入らないように行動し、視線は常に前方に向け、周囲の景色や建物などを見るようにしましょう。
3. 環境に溶け込む
周囲から浮いた不自然な行動をしていると、相手に気付かれやすくなります。周囲の環境に自然に溶け込むように、その場の雰囲気に合わせた目立たない服装や行動を心掛けましょう。また、人通りの多い繁華街や観光地など、写真撮影をしていても不自然でない環境を選ぶことも大切です。
4. 変装する
人混みの中でも、家族や友人のことは見付けやすいものです。相手が見慣れている外見のまま尾行や張り込みをしていると、無意識に目がいき、気付かれやすくなります。普段とは違うテイストの服装やメイクをする、帽子やサングラスを着用するなどの変装が必要になることもあります。尾行のための車や自転車なども、自宅のものとは別に用意した方がいいでしょう。ただし、あくまでも自然に見える範囲に留め、怪しまれないようにすることが大切です。
5. 自然を利用する
相手に気付かれにくくするために、自然も利用しましょう。太陽を背にするようにすれば、逆光で自分の顔が見えにくくなり、相手の顔はよく見えるので、撮影しやすくなります。レンズの反射も防ぐことができます。また、晴天時に木陰に身を隠す、雨天時に傘をさす、寒い時期に帽子やマフラーで顔を隠すなど、不自然にならずに顔を隠すことができます。
6. 長時間に備える
浮気調査の尾行や張り込みは、長期間・長時間にわたることも多くなります。予め、十分な量の軽食や水分、防寒具、携帯トイレ、予備のバッテリーやSDカード、筆記用具など必要なものを用意しましょう。トイレ対策も大切です。先に済ませておくだけでなく、周辺にあるトイレの場所の確認もしておきましょう。また、長時間の活動に耐えられるように、十分な睡眠をとること、体力と集中力を維持することも必要です。
7. 交通手段を把握しておく
尾行や張り込みは、相手の行動に合わせて臨機応変に、移動手段や行き先を変える必要があります。相手が使用する交通手段を事前に確認して、同じ手段で追う準備をすることが大切です。
相手が車の場合は、車種とナンバープレートを把握し、駐車場やガソリンスタンドの情報を収集します。電車の場合は、路線、乗車する時間、車両番号、乗換駅と下車駅、駅の改札と出口、バスの場合は、路線番号と経路、同じバスに乗るか、別の手段で追うかなど、事前に調べるべき情報はたくさんあります。折り畳み式のキックスターターであれば、リュックに入れて電車やバスに持ち込めるため、移動手段の変更に柔軟に対応できます。
法的リスクを回避する
浮気の証拠写真は、内容の真偽だけでなく、合法な手段で撮影していることが非常に大切です。違法行為により撮影された写真は、「違法収集証拠排除法則」に基づき、証拠として認められない可能性が高くなります。
これは、明文規定はないものの、憲法31条(適正手続の保障)、憲法35条(令状主義)、刑事訴訟法218条1項 (令状主義)の趣旨に由来しています。法的リスクを十分に理解し、細心の注意を払って、撮影する必要があります。
浮気調査で起こり得る違法行為には、次のようなものがあります。
1. 家宅侵入
刑法130条(住居侵入等)により、無断で私有地に入る行為は違法です。浮気相手の自宅やパートナーの職場だけでなく、密会しているホテルの部屋やレストランの個室も、該当する可能性があります。
路上や公共施設、公共交通機関など、誰でも立ち入れる場所からの撮影に限定した方がいいでしょう。
2. プライバシーの侵害
憲法13条(個人の尊重)、民法709条(不法行為による損害賠償)、民法710条(財産以外の損害の賠償)により、他人のプライバシーを侵害する行為は違法です。相手の自宅やホテルの部屋の内部を覗き見ることはもちろん、浴室やトイレなど、プライバシー性の高い空間での撮影や、公共の場所から望遠レンズなどにより撮影することも該当します。
SNSの投稿など、誰でも見られる公開情報は、これに当たりません。
3. 盗撮
各都道府県の迷惑防止条例、軽犯罪法1条23号(窃視)、性的姿態撮影等処罰法2条(性的姿態等撮影)により、同意なく撮影する、相手に気付かれないように隠密性のある方法で撮影する、プライベートゾーンを撮影するなどの行為は違法になる可能性があります。
4. 通信の秘密の侵害
相手のパソコンやスマホ、SNSのDMなどを無断で盗み見たり、それを撮影したりする行為は、電気通信事業法4条(通信の秘密)、179条(通信の秘密侵害罪)に該当し、違法になる可能性があります。
5. 不正アクセス
不正アクセス禁止法3条(不正アクセス行為の禁止)により、パートナーなどのID・パスワードを無断で使用したり、セキュリティの脆弱性を突いて侵入したりして、パソコンやスマホに不正にアクセスする行為は違法です。
6. ストーカー行為
ストーカー規制法2条1項1号(つきまとい、待ち伏せ、見張り)により、パートナーや浮気相手に対して、尾行・張り込みなどを行い写真撮影する行為は、違法になる可能性があります。
7. 道路交通法違反
浮気調査の証拠写真撮影において、撮影に夢中になるあまり、道路交通法に違反する行為に至る可能性があります。
尾行中の信号無視は7条(信号機の信号等に従う義務)、通行禁止区域への侵入による撮影は8条(通行の禁止等)、追跡中の速度超過は22条1項(最高速度)、相手の車への接近は26条(車間距離の保持)、相手や第三者の車の進路妨害は26条の2(進路の変更の禁止)、追跡中の駐車違反は45条(駐車を禁止する場所)、運転中の撮影は71条5号の5(携帯電話使用等の禁止)などに違反し、大変危険な行為です。冷静な行動を心掛け、交通違反や交通事故を起こさないよう、細心の注意を払いましょう。
証拠写真の撮影に欠かせないもの
浮気調査において、浮気の客観的事実を明示する重要な証拠が写真です。有効で確実な証拠を手に入れるために、必要なものについて解説します。
カメラ
あらゆる状況下で効果的な証拠写真を撮影するためには、パートナーや浮気相手の顔や表情、服装、行動、浮気現場の状況、周囲の環境などを鮮明にとらえる必要があります。そのためには、さまざまな機能を搭載した高性能なカメラが欠かせません。
場面に応じて、最適なカメラを選ぶ能力も必要です。
- 高解像度・高画素数:顔の特徴や細かい文字など詳細な情報を得る
- 高感度・暗視機能:夜間や薄暗い場所でも鮮明に撮影できる
- 光学ズーム:遠距離からでも鮮明に撮影できる
- 接写機能:超近距離からでもマクロレンズなどで撮影できる
- 連写機能:動きのある被写体を確実に捉える
- 手ブレ補正:動きながらの撮影や望遠撮影時に画像のブレを軽減する
- 日時記録機能:撮影日時を正確に記録する
- GPS機能:撮影場所の正確な位置情報を記録する
- カモフラージュ機能:特殊なデザインで周辺環境にカメラを溶け込ませる
- 小型・軽量:携帯性に優れ、目立たず、素早く撮影できる
- 防塵・防滴機能:耐久性に優れ、屋外や雨天時でも撮影できる
撮影技術
有効な証拠写真撮影には、高性能なカメラを最大限生かし、あらゆる状況下で臨機応変に対応できる撮影技術も欠かせません。決定的な場面を確実に捉えるには、日々の研鑽が必要です。
- レンズ選択:場面に応じて、適切なレンズ(広角、望遠など)を選ぶ技術
- ピント調整:動体追跡AFの使用、動きのある被写体に瞬時にピントを合わせる技術
- 手ブレ防止:三脚や一脚の使用、適切なシャッタースピードを設定する技術
- 露出設定:暗さや明暗差に応じて、ISO感度や露出補正を調整する技術
- トラッキング撮影:被写体を追跡しながら連続撮影し、決定的瞬間を捉える技術
- 構図選択:人物と周囲の状況を効果的に捉える技術
集中力・記憶力・体力
浮気調査では、尾行や張り込みをしながら写真撮影を行うため、有力な証拠となる決定的な瞬間を逃さないために、集中力、記憶力、体力が必要不可欠です。証拠撮影の成否は、撮影者の資質にもかかっています。
1. 集中力
浮気を示唆するわずかな手がかりでさえも見逃さないように、人物の表情や行動、周囲の状況を細部まで注意深く観察し、適切なタイミングと手段で撮影する必要があります。そのため、長時間にわたる尾行や張り込みでも、集中力を切らすことはできません。
2. 記憶力
写真を撮影した日時を正確に記録し、撮影した写真の内容(人物・場所・状況など)を、細部にわたってしっかり記憶しておく必要があります。写真だけでは分かりにくい内容、撮影時の状況や背景を正確に記憶することで、浮気を時系列で詳細に説明できます。写真の信憑性が増し、追加調査の手がかりになる場合もあります。
3. 体力
浮気調査は、長時間にわたり尾行や張り込みを行うことがあります。相手に気付かれないよう全方向に意識を向けながら、時には無理な姿勢のまま身を隠したり、待機したりする必要があります。
また、移動の際には、さまざまな機材や移動手段、飲食物など、重い荷物を抱えながらの場合もあれば、逃げる相手を追跡するために、急に走ったり、目的地を変更したりする場合もあります。日頃から体調を整え、体力をつけておきましょう。
写真撮影で困ったら、専門家に相談してみる
浮気の証拠写真は、離婚裁判や慰謝料請求など、法的措置において重要な役割を果たします。ここまでは、自分で証拠写真を撮影することを前提に説明してきました。自分で撮影した写真は、撮影場所や時間、状況などが明確であるため、証拠として認められることも多くなります。
しかし、質が高く効果的な証拠写真を撮ることは、難易度が高く、専門的な知識や技術、長年の経験を必要とする場合もあります。自分で撮影してみて、分からないことや困ったことがあれば、浮気調査に詳しい弁護士や探偵に相談するのもいいでしょう。
相談の際は、自分で撮影した写真もぜひ持参してください。相談を円滑に進めるための大きな助けになります。また、専門家は、証拠収集だけでなく、今後の調査計画や、調停や裁判に関するアドバイスも提供できます。専門家に相談するメリットには、次のようなものがあります。
1. 自分で撮影した写真の有効性を確認できる
写真が証拠として認められるためには、写真の内容や撮影方法に注意が必要です。専門家は、豊富な知識と経験に基づき、写真の有効性を判断します。有効な証拠になれば、浮気調査の費用を抑えることもできます。また、効果的な写真を撮影する方法や、法的手続きに不足している証拠などのアドバイスも受けられます。
2. 裁判や慰謝料請求に有利な証拠を収集できる
専門家は、裁判や慰謝料請求で必要とされる証拠や、採用されやすい証拠についての知識があります。浮気調査のための綿密な計画を立て、有利に立てる証拠を収集します。
3. 合法的に証拠を収集できる
専門家は、離婚調停や離婚裁判、慰謝料請求、財産分与、証拠収集に関する法律や、違法になりやすい証拠収集中の行為について熟知しています。専門家にだけ許される調査行為もあり、法に触れることなく、証拠を収集することができます。
4. 相手に露見しない
証拠収集には、さまざまな専門的知識、技術や道具などを駆使します。相手に気付かれにくい尾行・張り込みの方法や撮影技術、気付かれた時の対処方法なども豊富です。第三者であり顔を知られていないこと、チーム体制で動くため、露見しそうになった時や想定外の行動を行った時にも、臨機応変に対応できることも、露見のリスクを減らすのに役立ちます。
5. 時間的・体力的・精神的な負担がない
浮気されている側が、感情を抑えながら秘密裏に浮気調査を進めることは、とても大きな負担になります。また、日常生活を続けながら行うため、時間の捻出に苦労することも多いでしょう。専門家に相談することで、時間と労力を節約し、心理的負担を軽減することができます。
専門家は、専業のため、集中的に効率よく調査を進めます。また、客観的な立場で、感情的にならずに証拠を収集します。ストレスや不安が大きい、睡眠障害がよく眠れないなど、日常生活に支障が出ている場合は、依頼を検討してもいいでしょう。
浮気の証拠写真撮影 まとめ
浮気調査における証拠写真は、客観性と信憑性が非常に重要です。適切に撮影された写真は、離婚裁判や慰謝料請求、財産分与など法的手続きにおいて決定的な役割を果たし、問題解決のための大きな一助となる可能性があります。
撮影した人物・場所・時間の特定ができ、浮気を強く示唆する写真は有力な証拠となります。撮影されている内容が明白でない写真や、加工・編集された写真、違法な方法で撮影された写真などは、無効になる可能性が高くなります。証拠写真の撮影には、高度な技術と法律の知識、相手に気付かれないための細心の注意、適切な機材と撮影技術を駆使する力が求められます。
浮気は、とても感情的になりやすい繊細な問題です。しかし、写真撮影や調査方法によっては、逆に、法的な問題を抱える可能性もあるため、冷静かつ客観的な判断ができるように努め、常に法律を遵守し、慎重に行動することが大切です。
パートナーの浮気の疑いや不安を抱えている場合は、一人で抱え込まず、信頼できる専門家に相談することをおすすめします。専門家のサポートにより、確実で合法的な証拠収集や、適切な対応策が分かり、問題の早期解決への道筋が見えるでしょう。
この記事が、新たな一歩を踏み出すお役に立てれば幸いです。