ライフスタイルが多様になった現代では、夫婦が寝室を別々にすることも珍しくありません。その理由は「快適な睡眠環境のため」「プライバシーの確保」など、夫婦によって様々です。
しかし、それぞれの寝室に入ってしまうと、パートナーの様子が分からなくなります。もしかしたら、浮気の兆候に気付かないかもしれません。
本記事では、実際に寝室を分けた夫婦の割合から、円満な関係を保つポイントまで解説します。浮気調査をした実例も紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
寝室を別々にしている夫婦の割合と離婚率
一般社団法人日本建築学会の論文によると、寝室を別々にしている夫婦の割合は22.3%です。寝室を別々にすることと離婚率の関係は不明ですが、一度でも寝室を分けた経験がある夫婦の割合は34.5%に上ります。
子どもを軸にしたライフステージ別では次のようになります。
ライフステージ | 別寝室の割合(%) |
---|---|
子どもがいない | 15.8 |
一緒に寝ている子どもがいる | 25.4 |
子どもが親と別室で寝るようになった | 22.2 |
子どもが巣立った | 17.0 |
※参考:日本建築学会計画系論文集
ライフステージ以外の寝室を分ける理由は後述しますが、一概に「別々に寝ているから夫婦仲が悪い」というわけではありません。
夫婦が寝室を別にする理由
夫婦があえて寝室を別にする理由には、いったい何があるのでしょうか。
その理由は決してネガティブな理由だけではありません。ここでは、主な4つのケースについて見ていきます。
生活スタイルが違う
共働きで勤務時間帯が違う夫婦では、お互いの睡眠時間を確保するために、寝室を別にすることがあります。深夜までの残業や夜勤がある夫婦なら、就寝・起床時間が合わずに、パートナーの快眠を妨げてしまうからです。朝型・夜型といった体内時計の傾向も見逃せません。
快適に眠れる環境の違いも、寝室を分ける理由になります。夫婦間で「寝付きやすい室内の明るさ」「ぐっすり眠れる空調の設定温度」などが異なると、どちらかが合わせるのは大変です。生活スタイルが大きく違う場合は、寝室を分けることで問題のほとんどが解決します。
プライベートな時間がほしい
寝室に入ってから眠るまでの時間を「貴重なプライベートタイム」と考える夫婦は、別な部屋で寝るほうがくつろげる傾向にあります。寝る前に1人の時間を楽しみたくても、同じ寝室にパートナーがいると、どうしても相手に気を遣うからです。
仕事や家事に忙しい現代人にとって、寝るまでの時間は自由で貴重なひとときです。本やゲーム、音楽やアロマなどで好きなように過ごしたいなら、寝室を分けることで楽しみ方を広げられます。
いびきなどの問題で睡眠の質が下がる
パートナーのいびきなど、どうにもならないノイズの解決策として、寝室を分ける夫婦もいます。いびきや歯ぎしり、寝言の大きさには個人差があり、努力で直せるものではありません。だからこそ、寝室を分けることは単純で効果的な対策といえます。
眠りが浅く、小さな物音でも目が覚める人にとって、パートナーのいびきなどは体調に関わる大問題です。そのようなときは、寝室を分けてぐっすり眠ることで、心身の健康を保てるようになります。
パートナーと同じ空間にいたくない
残念ながら、夫婦間の愛情が希薄になってしまったことで寝室を分けるケースもあります。
結婚生活が長くなると、どうしてもお互いの欠点が目につきます。嫌悪感から「一緒にいるのが耐えられない」「触られたくない」と思ってしまえば、同じ部屋で寝ること自体が難しくなります。
一方、寝室を分けることで気持ちに余裕が生まれれば、パートナーに穏やかな接し方ができるかもしれません。夫婦が思い切って別々の部屋で寝ることで、関係が良い方向に動くこともあるのです。
夫婦が寝室を別にするメリット
夫婦が寝室を分けるのは、決してネガティブな理由だけではないことが分かりました。
それなら、夫婦が寝室を別にすると、どのようなメリットが生まれるのでしょうか。ここでは4つのメリットについて解説します。
質の良い睡眠がとれる
生活スタイルの違いから起こる睡眠の問題は、寝室を分けるだけで解決します。遅く寝る夜や早起きの朝でも、眠っているパートナーに気遣う必要も、逆に起こされてしまうこともありません。時間通りに起きられるか不安なときは、目覚まし時計をいくつでもセットできます。
パートナーのいびきや歯ぎしり、寝言が気になって眠れない夜もなくなります。「1人でいるだけで深く眠れる」と思う方もいることでしょう。睡眠の質の向上に伴い、目覚めや体調が良くなれば、仕事や家事の効率アップも期待できます。
プライバシーが確保できる
夫婦が別々の寝室を持つことは、プライバシーの確保につながります。パートナーを気にせず好きなように過ごすのも、友人と電話やオンラインでおしゃべりを楽しむのも自由です。
パートナーと好みが分かれる趣味やコレクションも、別々の寝室があれば気兼ねなく没頭できます。寝室というより個室の意味合いですが、誰にも見られたくない秘密も、堂々と持ち込めるようになります。
寝室を自分好みの空間にできる
寝室を分けることは、眠るときの明るさや室温の好みが違う夫婦にとって、とても良い選択肢の一つです。別々の空間にいれば、照明や空調を好きなように設定できるため、睡眠の質がぐっと向上します。
眠るときにアロマを焚いたり、インテリアにこだわったりして、寝室を自分好みの空間にすることも可能です。パートナーに遠慮せず、好きなもので満たされた空間で眠りにつくことは、ストレス解消や深いリラックスにつながります。
配偶者へのストレスが減り円満な関係に繋がる
パートナーのいびきや歯ぎしり、起床時間のずれなどで睡眠不足に陥った夫婦は、どうしてもイライラやケンカが増えがちです。そのようなときは寝室を分け、毎晩ぐっすりと眠ることで、心の健康を取り戻せるかもしれません。
プライベートな空間があることは「何でもできる秘密基地を持っている」という心の余裕につながります。特にプライバシーを重視する夫婦なら、その効果はより大きくなるでしょう。
夫婦が寝室を別にするデメリット
一緒に寝ていた夫婦が寝室を分けることには、当然ながらデメリットも存在します。
ここでは、夫婦が寝室を別にすることで生じる4つのデメリットについて解説します。
心の距離が開く
夫婦が寝室を分けた場合、ベッドの距離が離れるのと同時に、心の距離まで開くことがあります。就寝前の会話がなくなり、顔を合わせる時間そのものが減ってしまうからです。
そのため、寝室を分けた後はコミュニケーションを増やす努力が必要です。別々に寝るようになった分、休日は一緒に出かけるなど、2人の時間を楽しみましょう。ケンカをしてしまったときは、自分の寝室に閉じこもったりせず、素直に謝ることが仲直りの近道です。
スキンシップの機会が減る
寝室は夫婦にとって、スキンシップに最適な場所です。同じ部屋で寝起きしていれば、おのずから触れ合う機会が生まれやすくなります。しかし寝室を分けたことでスキンシップが減り、場合によっては完全に失ってしまうこともありえます。
スキンシップの減少でもっとも懸念されるのは、セックスレスに陥ることです。夫婦ともセックスレスを受け入れられれば良いのですが、どちらかが(あるいは夫婦とも)欲求不満なら、対策が必要になります。
パートナーの体調を把握しにくい
夜は人間にとって、体調を崩しやすい時間帯です。脳梗塞や心筋梗塞などの重い病気は、発症から治療開始までにかかる時間によって、病気の予後が大きく左右されます。
夫婦が別々に寝ていると、お互いの異変に気付くのが遅れがちです。睡眠時無呼吸症候群のように、眠っているときにしか症状が出ない病気なら、誰にも見つけられないかもしれません。そして睡眠時無呼吸症候群は、やがて心身に打撃を与える病気の引き金になりえます。
パートナーの行動がわかりづらい
夫婦がそれぞれに寝室を持つと、自分のプライバシーが確保できる半面、パートナーが寝る前に何をしているか分からなくなります。寝室でマッチングアプリを使う、浮気相手と連絡を取り合うなどの問題行動をしていても、気付くことができません。
また、お互いに自分だけの空間があることで、パートナーに対して疑心暗鬼になりがちです。相手がずっと寝室に閉じこもっていると「1人で何をしているの?」と不審に思うことでしょう。そのようなときは、部屋を訪ねて反応を見ることも解決方法の一つです。
寝室を分けると浮気のリスクは上がる?
夫婦が寝室を分けると、お互いに秘密を隠しやすくなります。同室で寝ている場合に比べて、パートナーの浮気に気づくのが遅れることは否定できません。
ここからは、寝室を分けることと浮気の関係について考えていきます。
パートナーと寝室を分けると浮気の兆候に気付きにくい
前述の通り、夫婦が寝室を分けてしまうと、お互いの行動が見えにくくなります。特に問題なのは、スマホをどのように使っているか把握できないことです。
パートナーが浮気を始めると、ほとんどのケースでスマホの使い方が変わります。具体的には、次の変化で浮気に気付くことが多いです。
- スマホをお風呂やトイレまで持っていくようになった
- 画面を下に向けて置くようになった
- 画面を隠しながら使うようになった
自分だけの寝室にこもってしまえば、このような気遣いをしなくても、浮気相手に堂々と連絡できます。だからこそ、夫婦が寝室を分けることで「浮気が急速に発展するリスク」は上がってしまいます。
少しでも怪しいと感じたら持ち物を調べてみよう
パートナーの浮気が疑わしいときは、相手の持ち物を調べてみましょう。スマホを見られれば効果的ですが、ロックがかけられて開けない可能性が高いです。
カバンや財布、寝室の引き出しを調べて、次のものが入っていたら要注意です。
- 浮気相手との予定が書かれた手帳やメモ
- ホテルのポイントカードや領収書
- 不自然なクレジットカードの利用明細
- 聞いたことがない施設のチケット
ただし、パートナーの持ち物を調べることはプライバシーの侵害と紙一重です。あくまでも、無理なく手に取れる範囲にとどめておきましょう。
寝室を分けている夫婦の浮気チェック
夫婦が寝室を分けると、パートナーの行動を把握しにくくなり、浮気を見逃す可能性が上がります。
いち早くパートナーの浮気に気付くためには、次のポイントに注意が必要です。
残業が増えた
仕事の後で浮気相手に会っているケースで、よく言い訳に使われるのが残業です。理由として無理がなく、もし仕事の内容について訊かれても、守秘義務を口実にすれば説明しなくて済みます。
あまりにも疑わしい場合は、パートナーが残業しているはずの時間に、オフィスを外から見てみるのも一案です。窓に明かりがついていなければ、少なくとも残業は嘘だと推測できます。
出張が増えた
残業同様、浮気相手に会うときの口実として使われるのが出張です。ただし残業と違い、出張は泊まりで出かける言い訳にできます。
もしパートナーの同僚に知り合いがいれば、それとなく訊いてみると真偽が分かります。いない場合は、カーナビやクレジットカードの履歴、パートナーのSNSなどにヒントがあるかもしれません。
休日出勤が増えた
休日出勤も、休みの日に家を空ける言い訳に使われます。残業と同じように、外に出る理由としてもっとも無理がないからです。
パートナーの浮気を疑っているなら、休日出勤するときの様子に注目しましょう。やけに機嫌が良かったり、荷物が不自然に多かったりする場合は注意が必要です。
また、帰宅後にシャワーを浴びる、不自然にお土産を買ってくるなど、いつもと違う行動も手掛かりになります。
寝室にこもる時間が増えた
パートナーが寝室にこもる時間が不自然に増えたら、浮気のサインかもしれません。前述したとおり、浮気の兆候はスマホの使い方に表れるものです。浮気相手と連絡を取るために、寝室にこもっている可能性があります。
ただし、理由は他にも考えられます。ゲームや新しい趣味、ドラマなどに夢中になっているだけかもしれません。一概に浮気とは限らないので、その点も含めて注意が必要です。
ファッションの好みが変わった
ファッションに無頓着だったパートナーが、目に見えてお洒落になったときも、浮気が始まった可能性があります。
特に注意したいのは、服の好みが急に変わったケースです。これだけで浮気とは言い切れませんが、もしかしたら浮気相手のファッションセンスが影響しているかもしれません。
特に注意が必要なのは、下着にこだわるようになった場合です。機能ではなく、デザインやブランドで選び始めたなら、見せたい相手がいる可能性が浮上します。
寝室が別でも円満な関係を保つポイント
夫婦が別々の寝室を持つことは、デメリットがあるとはいえ、生活上の問題に対するシンプルな解決策です。
浮気に気付かないリスクがある一方で、生活スタイルなどの状況によっては、夫婦円満を保つための手段になりえます。
本章では、別々に寝るようになっても仲の良い夫婦でいるために、気をつけたいポイントを紹介します。
一緒に寝る日を設ける
寝室を別にしたとはいえ、夫婦には一緒に過ごす夜も必要です。ときにはどちらかの寝室で「家庭内お泊まりデート」を楽しんではいかがでしょうか。休みの前日なら、一緒に映画を観たりゲームをしたり、リラックスして過ごす時間が取れます。
「土曜日はパートナーの寝室に泊まる」「7がつく日は一緒に寝る」など、ルーティンを作るのも一案です。
寝る直前まで一緒に過ごす
夫婦が別な部屋で寝るようになると、就寝前の会話ができません。だからこそ、別の時間帯にコミュニケーションを補うことが大切です。
毎日の終わりに、寝室に行く直前まで夫婦の時間を持つことは、とても良い解決方法です。家族や仕事の状況、その日の出来事など、ちょっとした会話があるだけで絆が保たれます。
もちろん、それ以外の時間帯に言葉を交わすことも必要です。「おはよう」「おかえり」などのあいさつはもちろん「おつかれさま」「ありがとう」など労いの声掛けも、立派なコミュニケーションといえます。
ケンカは寝るまでに解決する
前述の「夫婦が寝室を別にするデメリット」では、心の距離が開くことを挙げました。夫婦がケンカをして、自分の寝室に閉じこもると、仲直りのタイミングを逃してしまいます。もしもケンカになってしまったら、その日の就寝までに解決することが夫婦円満のポイントです。
ケンカは時間が経てば経つほど、仲直りをするのが難しくなります。最初は小さなケンカも、大きくこじらせてしまえば、決定的な亀裂のきっかけになりかねません。
お互い納得したうえで寝室をわける
夫婦の寝室を分けたいと思ったら、まずはパートナーに納得してもらえるまで、きちんと話し合うことが必要です。「嫌われたのかな」「浮気しようとしている?」などと誤解されないよう、しっかりと説明する必要があります。
お互いが納得しないまま寝室を分けると、問題が起きたとき「本当は寝室を分けるのが嫌だった」と言われかねません。まずはしっかりと話し合い、お互いが心から納得することです。
事例|寝室を別にしている夫婦の浮気調査
佐野さん(仮名・40代)は同い年の夫、高校生の長男と3人で暮らしています。
夫婦仲は良いのですが、子育てが落ち着いたことをきっかけに、それぞれの寝室に分かれて寝ることにしました。佐野さんは、ほどよいプライベートを楽しめる「夫婦で別々の寝室」に満足していたのです。
ところがこの半年ほど、夫の帰宅が遅くなる日が目立つようになりました。残業などほとんどなかったのに、22時を過ぎてから帰ることも珍しくありません。
寝室を分けて以来、夫の夜の行動が見えなくなったことも、佐野さんの不安に拍車をかけました。夫の浮気が心配でたまらない彼女は、探偵社に調査を依頼します。
調査の結果、夫が残業を言い訳にして遅く帰った日は、会社の若い女性と食事をしたり、ホテルに行ったりしていることが分かりました。佐野さんはその後、探偵社の調査報告書を証拠に、夫と今後について話し合いを重ねることになりました。
まとめ
夫婦の寝室事情は人それぞれです。夫婦が寝室を分けることは、デメリットだけでなく、大きなメリットも存在します。
しかし夫婦が別々に寝ることで、浮気に気付くのが遅れる可能性は否定できません。
寝室を別にしても円満でいるためには、日頃からパートナーとコミュニケーションを図り、夫婦間の風通しを良くすることが大切です。