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浮気と不倫には歴史があった!平安時代から現代までの変遷と注目スキャンダル

浮気や不倫の歴史は古く、時代のなかでその扱いや捉え方が変わってきました。日本でも、不倫が法的に重罪だったり、一夫多妻制だったりした時代があります。

本記事では時代ごとの浮気や不倫に関する雑学、実際に起きたスキャンダルをご紹介します。実は奥深い浮気や不倫の変遷を覗いてみましょう。

浮気と不倫は大昔から存在した!3つの時代の浮気事情

浮気に関する和歌や物語などの記述は、平安時代から存在していました。日本人の長い歴史のなか、浮気や不倫は時と場合によって、華とも犯罪とも扱われてきたようです。

本項では日本における浮気の歴史から、平安時代・江戸時代・明治~昭和戦前の浮気事情をピックアップしてご紹介します。

平安時代の貴族社会は見て見ぬふりだった?

平安時代の恋物語といえば「源氏物語」があまりにも有名です。主人公の光源氏は正室の葵上のみならず、藤壺中宮や朧月夜、紫の上など数多の女性と恋愛模様を繰り広げました。当時は一夫多妻制だったことも知られており「浮気や不倫に大らかな時代」というイメージを持つ方も多いことでしょう。

しかし意外にも、平安時代の貴族社会において不倫は「姦通罪」という犯罪でした。罰則は2年から3年半の従刑(拘束および労役)だったといいます。

もっとも当時は一夫多妻制であり、戸籍制度も消滅していたため、夫婦という認定そのものが難しかったようです。何より「源氏物語」の存在が、姦通罪が絵に描いた餅だったことの象徴といえるでしょう。浮気や不倫は決して珍しいことではなく、平安貴族たちは禁断の恋に夢中だったようです。

江戸時代の不倫は極刑や切り捨て御免の重罪

江戸時代になると、不倫は「不義密通」という重罪として扱われていました。基本法典の下巻・御定書百箇条(おさだめがきひゃっかじょう)では、不義密通の罰則は下記の通り定められています。

密通いたし候妻(不倫をした妻):死罪
密通の男(不倫相手の男性):死罪
密通の男女ともに夫殺し候わば(夫が妻と不倫相手を殺しても):紛れ無きにおいては構いなし(密通が事実なら無罪)

※参考:一関市 令和3年度芦東山記念館館長講座「女性をめぐる仙台藩・一関藩・盛岡藩の法」
https://www.city.ichinoseki.iwate.jp/index.cfm/6,135547,c,html/135547/20210609-093608.pdf

不義密通は「不倫した妻と相手の男性は極刑」という、現代では考えられないほどの重罪でした。一方、不倫をされた夫は「切り捨て御免」と妻と不倫相手を殺害することが許されています。そのため江戸時代は、不倫の恋に身をやつした2人が心中をするケースが相次いだそうです。

実際はお裁きにならないよう、お金で解決することも珍しくありませんでした。このお金を「首代」といい、現在の金額で50万円程度だったようです。首代に詫び状を添えて支払うスタイルは、現在における不倫の謝罪文と慰謝料をほうふつとさせます。

明治~昭和の戦前は男性の不倫に甘かった

明治時代の刑法にも、不倫を禁じる「姦通罪」が規定されていました。江戸時代の不義密通ほど重罪ではありませんが、それでも2年以下の懲役刑です。その内容は「夫の姦通は相手が既婚女性なら処罰対象、妻は相手の未婚・既婚を問わず処罰対象」でした。この刑法は昭和22年まで続きます。

明治~昭和の戦前は、男性が妾(めかけ)を囲うことが一種のステータスでした。妾とは、既婚男性が経済的な面倒を見る妻以外の女性です。

妾の住居費と生活費は男性が負担するため、高収入でなければ囲うことはできません。一万円札の顔となった渋沢栄一は、3人の妾を囲っていたそうです。

一夫一婦か多様な恋か、現代の浮気雑学

ここまでは過去の浮気事情を紐解いてきました。どの時代も、浮気心を法律で縛るのは難しかったようです。そして、現代でも不倫や浮気は後を絶つことがありません。

本項では現代に目を向けて、浮気に関する雑学を3つ紹介します。

日本が一夫一婦制になったのは?

日本は一夫一婦制の国です。これは法律で定められたルールであり、民法・刑法ともに規定されています(※)。

  • 民法第732条:配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない
  • 刑法184条:配偶者のある者が重ねて婚姻をしたときは、二年以下の懲役に処する。その相手方となって婚姻をした者も、同様とする

※引用:e-gov法令検索

「民法第732条」

https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089#Mp-Pa_4-Ch_2-Se_1-Ss_1-At_732

「刑法184条」

https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045#Mp-Pa_2-Ch_22-At_184

ところで「日本での一夫一婦制の歴史はまだ浅い」と聞けば、驚く人もいるでしょうか。実は、一夫一婦制が導入されたのは1898年(明治31年)のことで、日本はそれまで一夫多妻制でした。いまでも時代劇や小説に登場する「正室と側室」「正妻と妾」などの言葉に、その形跡が残っています。

明治時代には、日本に西洋の文化が押し寄せたことで、それまでの制度や習慣が大きく変わりました。長く続いた一夫多妻制の廃止にも、西洋の貞操観念や男女平等意識、人権思想が影響したという説があります。

浮気は本能?人間も動物ではあるけれど

「男性の浮気は本能」という意見を聞いたことがあるでしょうか。人間も動物の一種であり、自らの遺伝子を子孫に残したいという本能があることは事実です。確かに排卵が月に一度の女性に比べ、男性は遺伝子を残すチャンスが多いため、その本能は女性より強い可能性があります。

しかし、女性が浮気をしないわけでもありません。女性の場合は男性と少し異なり「より優秀な相手の遺伝子を子孫に残したい」という本能が働くようです。

人間社会は法律や道徳で成り立っています。配偶者がいる場合、不倫は「不貞行為」として扱われ、離婚や慰謝料請求の理由になります。また家族を深く傷つける、社会的な信頼を失うといったデメリットも忘れてはなりません。江戸時代の不義密通ほど厳しくないとはいえ、社会人である以上「浮気は本能だから」では通用しないのでしょう。

浮気のボーダーラインはどこなのか

一口に「浮気」と言っても、そのボーダーラインは人によってさまざまです。明確な定義がないからこそ、逆に気になるところです。

株式会社Clamppyが男女1,163人(男性368人・女性795人)に実施した「浮気はどこから?」というアンケートによると、ボーダーラインのTOP3は男女ともに同じでした。

(複数回答あり)

回答 男性 女性
1位 1度でも肉体関係を持ったら 161名 43.8% 459名 57.7%
2位 相手とキスをしたら 115名 31.3% 385名 48.4%
3位 相手を好きになったら 100名 27.2% 362名 45.5%

※参考:ツナグ離婚弁護士「浮気はどこから?アンケートでわかった男女で違う浮気の基準」

https://clamppy.jp/rikon/column/survey/38

1位は「1度でも肉体関係を持ったら」です。離婚や慰謝料請求の理由となる不貞行為も「配偶者以外の異性と肉体関係を持つこと」であり、アンケートの結果と一致します。誰もが納得するボーダーラインといえるでしょう。

また「相手を好きになったら」が第3位というのも興味深いポイントです。複数回答とはいえ、女性では45.5%の人がボーダーラインとしています。一方で男性は27.2%というところに、男女の価値観の違いが垣間見えます。

有名人の浮気・不倫スキャンダル

ここまでは、過去と現代の浮気事情について見てきました。やはり浮気や不倫は時代を問わず、世の中を賑わす話題の元になっているようです。

本項では具体例として、過去に起きた3つのスキャンダルをご紹介します。

江戸時代にもあった!派手すぎる大スキャンダル

浮気や不倫のスキャンダルは、昔から人々を賑わせてきました。江戸時代には、朝廷が徳川家康に判断を仰いだとされる大スキャンダル「猪熊事件」が起きています。

猪熊事件とは1609年、公家(朝廷に仕える者)の猪熊教利が中心になって起こした密通事件です。猪熊が公家の男性数名を巻き込み、複数の官女(宮中に使える女性)と密通したという内容でした。

時の後陽成天皇は激怒し、関係者をすべて極刑に処すとの意向を示しました。それを聞いた徳川家康は、当初は後陽成天皇の意向を尊重したものの、最終的な判断を下すことになります。朝廷の混乱を案じた家康は、首謀者の2名を極刑に、他の関係者を流刑に処しました。

これは「家康が天皇の意思を覆した」という既成事実になり、幕府が朝廷に対して主導権を握るきっかけのひとつになったといいます。もしも猪熊事件がなければ、その後の歴史は少しばかり変わっていたのでしょうか。

「タクシーの運転手も知っていた」発言とは?

俳優・心霊研究家として活躍し、2006年にその生涯を閉じた丹波哲郎さん。彼は1989年、隠し子が発覚した際の発言が話題になりました。不倫ですよね、と記者に問われた丹波さんは、このように答えたといいます。

「ああ、本当も本当。そんなことは(愛人の住む)府中の街の人ならみんな知っている。タクシーの運転手も知っていた」

※引用:日刊ゲンダイDIGITAL「丹波哲郎、八千草薫も…芸能界「不倫」スキャンダル史」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/200813

当時はいまほど不倫に対する風当たりが強くなかったとはいえ、堂々たる発言です。豪快なお人柄がにじみ出ています。

本当は言っていなかった?「不倫は文化」

1996年、人気モデルとの不倫が話題になった石田純一さん。人気絶頂だった石田さんが発言したとされる「不倫は文化」という言葉は、日本中が注目する大きな話題になりました。

後になって石田さんは、スポーツ新聞の取材で「不倫は文化とは言っていない」と振り返っています。当時、不倫は許されるのかと問いかけた記者に対する発言は、次の通りだったそうです。

「あなたはあなたのお考えだと思うけど、そういうものが世の中の歴史上にも、いろいろずっとある。そういうことを全否定したら、芸術も全否定になっちゃいますよ(※)」

※引用:日刊スポーツ「石田純一「不倫は文化」炎上 本当は言ってなかった」

https://www.nikkansports.com/entertainment/news/201903100000259.html#goog_rewarded

「不倫は文化」というのは、記事につけられた見出しの一部だったそうです。その発言が日本中の話題になったこと自体、石田さんの人気の高さを物語っているのでしょう。

まとめ

浮気と不倫に対する世間の反応や捉え方は、時代とともに変化してきました。しかし、男性の浮気に対して寛容な時代だったとしても、妻の心がざわついたことは想像に難くありません。

現代での浮気や不倫は、失職など仕事に悪影響を与える、離婚訴訟や慰謝料請求の原因になるなどの大きなリスクを含んでいます。はたして未来においても、浮気と不倫は何らかの形で、世間を騒がせていくのでしょうか。

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