婚活やマッチングアプリの普及に伴い「スピード婚」という言葉を耳にするようになりました。交際期間が短いスピード婚は、良い点がある半面「相手のことを十分に知らないまま結婚する」というリスクをはらんでいます。
本記事ではスピード婚の定義や離婚率の傾向、メリットとデメリットなどを解説します。リスク防止の方法として、探偵に結婚前素行調査を依頼した実例も紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
スピード婚とは
スピード婚とは、恋人同士としての交際期間が短い結婚のことです。明確な定義はなく、スピード婚だと感じる期間は人により異なります。
セキララ★ゼクシィが20~30代の男女に実施したアンケートによると「交際3ヶ月未満での結婚をスピード婚だと思う」と答えた人の割合が52.5%と半数以上にのぼります。2位の「半年未満」は25.3%でした(※1)。大多数の人が「交際期間が半年までならスピード婚」と認識するようです。
(※1)セキララ★ゼクシィ「交際半年内で結婚はスピード婚!?心配したことや解消法も紹介」
https://zexy.net/contents/lovenews/article.php?d=20221017
スピード婚の離婚率
アメリカのエモリー大学が行った調査によると「交際期間1年未満で結婚した夫婦は離婚の確率が高い」という結果が出ています。スピード婚の場合は、交際期間3年以上の夫婦に比べて、離婚の可能性が40%ほど上がってしまうようです(※2)。
(※2)フェスタリアジャーナル「スピード婚のメリット・デメリットは?離婚率や後悔しないためのポイントも紹介」
https://www.festaria.jp/journal/column/489
スピード婚の3つの典型的パターン
まず最初に、スピード婚に至る理由について検討しましょう。主に3つのパターンがあります。
交際中に妊娠した
交際が始まって間もなく、妊娠が発覚してスピード婚を決意するカップルもいます。妊娠をきっかけにしたスピード婚は、生まれてくる子どものために決断する、親として最初の責任ある行動かもしれません。
子どもが生まれる前に結婚し、家庭環境を整えておくことで、安心して出産の日を迎えられます。夫婦で育児を協力し合えば、より深い絆が生まれることでしょう。
結婚への焦りがあった
独身のまま年齢を重ねると、結婚を焦る理由が少しずつ増えてきます。たとえば次のようなケースです。
- 周囲に既婚者の割合が増え、一緒に行動できる友人が少なくなってきた
- パートナーがいなくて寂しい
- 親が元気なうちに結婚して安心させたい
- 子どもを生み育てるのに適切な年齢のうちに結婚したい
このようなときに恋人ができると「早く結婚したい」と考え、スピード婚に踏み切る可能性があります。
相手との相性が良かった
スピード婚をしたカップルの多くが「直感でこの人だと感じた」と口にします。直感は本能的な感覚だけでなく、それまでの経験を踏まえたひらめきですので、決して侮れません。
相性のなかには、金銭感覚や考え方などの価値観が近いことも含まれます。価値観が似た者同士なら、会話に違和感が生まれにくいので、この人は自分に合うと感じるはずです。
スピード婚のメリット
交際開始から結婚までの期間が短いスピード婚には、独自のメリットがあります。本項では3つについて解説します。
結婚しても恋人気分が続く
スピード婚は交際期間が短いうちに結婚するため、その後も新鮮な恋人気分が続きます。おうちデートの感覚で新婚生活を送れるのは、スピード婚の大きなメリットです。
結婚しても相手にドキドキしていたい、刺激のある新婚生活を送りたい。そう願うカップルには、スピード婚のメリットは大きいと言えます。
結婚のタイミングを逃さない
結婚のタイミングを逃しにくいことも、スピード婚のメリットです。交際期間が長くなると、結婚を切り出すきっかけを掴めなかったり、倦怠期に陥ったりすることがあります。スピード婚は気持ちが高まっているうちに結婚するため、タイミングを逃さずに済むのです。
特に同棲しているカップルは、一緒に暮らしている期間が長くなるほど、結婚の機会を掴みにくくなります。結婚には勢いが必要だと思う方には、スピード婚も一つの選択肢です。
相手をより深く知る楽しみがある
つき合い始めてからの期間が短いスピード婚には「一緒に暮らしながら相手をより深く知る」という、宝探しのような楽しみがあります。
たとえば小さな子どもと遊ぶのが上手だったり、感動する映画を観て泣いてしまったり。あるいはDIYが得意だったり、害虫退治を進んでしてくれたり。結婚前には知らなかったやさしさや頼もしさをを知れば、より相手を好きになれます。
スピード婚のデメリット
スピード婚にはメリットがある一方、交際期間が短いからこそのデメリットも存在します。代表的な3つについて見ていきましょう。
親や友人を心配させてしまう
スピード婚は、親や友人が手放しで喜んでくれるとは限りません。交際期間が短いため「もっとお互いをよく知ってから結婚したほうが良いのでは?」と、周囲に心配をかけてしまいがちです。
しかしながら、親や友人が心配するのは愛情や友情の裏返しです。結婚を決めた理由や自分たちの思いをしっかりと話して、納得してもらってからの結婚でも遅くありません。
結婚してから性格の不一致に気づく
スピード婚では、短い交際期間で見逃してしまった違和感に、一緒に暮らし始めてから気づくこともあります。そこで初めて、お互いの性格の不一致を知るのです。
これを防ぐには、結婚する前にできる限り相手と話し、行動を共にすることです。そのなかで、お互いを少しでも多く知る努力をしましょう。結婚後は「嫌なところがあるのはお互い様」と気持ちを大きく持ち、相手の一面を受け入れる寛容さも必要です。
結婚までの勢いが落ち着くと気持ちが冷める
スピード婚が決まり、お互いの親へのあいさつや新居の準備をするのは刺激的なことです。テンションが上がって、相手が実際以上に素敵に見えるかもしれません。この時期は、結婚に向けて気分がどんどん盛り上がっていきます。
しかし、結婚して日常が安定してくると、物足りなさを感じて気持ちが冷めることがあります。恋愛のドキドキ感と結婚のワクワク感が同時に冷めれば、一気に倦怠期へ突入するかもしれません。
スピード婚が成功する人の特徴
スピード婚には、メリットとデメリットが共存していることが分かりました。それでは、スピード婚で幸せになれるのはどのような人でしょうか。本項では5つの特徴について解説します。
柔軟性がある
結婚を成功させるには柔軟性が不可欠です。想定外のトラブルや、予想がつかない事態に巻き込まれても、柔軟性がある人ほど解決策を見つけやすくなります。
理想が高く自分の意見を譲らない人は、夢と現実の違いに幻滅を繰り返します。そこで柔軟に考えを変えていけることが、スピード婚を成功させる大きなポイントです。
共感性が高い
夫婦に共感性の差があると「言わなくても分かって」「言われなきゃ分からない」というすれ違いが起きやすくなります。共感性には性別の差があると言われており、男性より女性の方が共感性が高い傾向です。
共感性を上げるには、まず相手の話にしっかりと耳を傾け、相槌を打って聞く姿勢を示すことです。そのうえで仕草や表情、声のトーンを観察してみましょう。努力を続けるうちに、少しずつ共感性が上がっていきます。
相手との友人関係が長い
恋人としての交際期間が短くても、その前に友人として長いつき合いがあるカップルは、スピード婚が成功しやすくなります。恋愛関係が始まった時点で、すでにお互いの本質や魅力、考え方などを知っているからです。
このようなスピード婚では、すでにデメリットである「親や友人が心配する」「結婚してから性格の不一致に気づく」という問題が解消されています。だからこそ、周りの人たちも安心して見守ってくれるはずです。
物事を客観的に判断する
交際が始まったばかりの頃は、相手の良いところばかり見てしまいがちです。しかし、そのままスピード婚を決めてしまうと、結婚後は悪いところばかり見ることになりかねません。
スピード婚を成功させるには、相手の長所と短所を結婚前に見極める必要があります。実はスピード婚ほど、客観性のある判断が求められるのかもしれません。
自然体の自分を見せられる
最初から見栄を張らず、自然体の自分を見せられる相手となら、スピード婚が上手くいく可能性が高まります。「自分を良く見せたい」と格好つけるのには限界があり、長く続けられるものではありません。結婚前に背伸びをした姿ばかり見せてしまうと、自然体の自分を出すタイミングを失いがちです。
見栄だけでなく、嘘や隠し事を抱えたままのスピード婚にも無理があります。嘘の内容によっては、発覚と同時に夫婦関係が破局するかもしれません。お互いに自分を飾らず、良いことも悪いことも話し合える関係を築くことが、スピード婚を成功させるカギになります。
スピード婚が離婚につながりやすい人の特徴
スピード婚が成功する人と同様に、離婚につながりやすい人にも特徴があります。本項では、離婚につながりやすい5つの特徴について解説していきます。
衝動性が強い
衝動性が強い人の問題点は、熱しやすく冷めやすい性格的な傾向です。恋人ができると、すぐにめりこんで夢中になりますが、その熱は長続きしません。ある日突然、相手への興味を失ってしまう可能性があります。
そのような人が交際開始直後の衝動からスピード婚に踏み切ると、熱が冷めたときが大変です。パートナーへの思いやりを一気に失ったり、他の異性に目移りしたりするかもしれません。衝動性が強い相手とのスピード婚は、感情が落ち着くまで様子を見るほうが無難です。
計画性がない
長い人生を穏便に過ごすために、ある程度の将来設計は欠かせません。計画性がなく、経済的な基盤を整えられない結婚は、やがて苦境やトラブルを招くことでしょう。スピード婚だからこそ、相手の計画性をチェックする必要があります。
計画的に避妊をせず、妊娠からスピード婚に至ったケースでは、ある日突然「結婚して親になる」という責任を背負います。結婚生活がうまくいかないと、自身の計画性のなさを悔やむ結果になりかねません。
ストレスに弱い
ストレスに対する耐性のなさは、スピード婚が上手くいかない原因になります。育った環境も考え方も違う2人が、1つの家庭を築く過程では、ストレスを感じる機会が数えきれないほどあるからです。
スピード婚は相手をよく知らないうちに結婚するため、価値観や金銭感覚などのズレがいくつも浮上します。家事分担、義実家に対する考え方にも差があることでしょう。そこから生じるストレスをやり過ごす耐性がなければ、やがて結婚生活そのものが辛くなってしまいます。
自己中心的な性格
幸せな家庭を築くためには、お互いに思いやりを持つことが重要です。自己中心的な人は思いやりに欠け、嫌味や一方的な物言いで相手にストレスを与えます。そのために会話が減り、重篤なコミュニケーション不足に陥る夫婦もいます。
家事分担においても、自己中心的な人は何も引き受けなかったり、自分の担当分を放置したりしがちです。ここから相手に失望し、疲れ果てると「スピード婚なんてしなければよかった」という結論に至ってしまいます。
周りに流されやすい
他人の意見に流されやすい人もスピード婚には向きません。そのような人は意志を持たず、友人や家族の意見に右往左往して、自分がどうしたいのかが分からなくなります。
情報があふれる現代では、SNSの書き込みをすべて鵜呑みにしていると、自分の軸を見失ってしまいます。スピード婚に反対する意見を見聞きしただけで「やめたほうが良かったのか」と後悔するかもしれません。
スピード婚で円満な夫婦になるための方法
スピード婚のご縁に恵まれたからには、末永く夫婦円満でいたいものです。そのために気をつけるべき主なポイントを5つご紹介します。
問題にしっかり向き合う
スピード婚に限らず、結婚には「問題が生じたときにしっかり向き合う」という心構えが大切です。問題が起きるたびに2人で解決していれば「自分だけが悩んでいる」と不満を持つことがありません。
たとえ意見が違っても、相手を無視したり感情的になったりせず、お互いにとって良い結果を探すようにしましょう。協力し合って問題に取り組む努力を続けることで、夫婦の絆が深まっていきます。
コミュニケーションをとる
結婚後も仲の良い夫婦でいるためには、コミュニケーションを取り続けることが肝心です。一緒に暮らす時間が長くなると、日々の忙しさやマンネリ化から、つい会話を忘れがちになります。
結婚後もデートに出かける、スキンシップを図るなど、意識して2人の時間を作るのが効果的です。結婚当初のワクワク感を維持するためにも、コミュニケーションを絶やさないよう心がけましょう。
将来のビジョンを共有する
夫婦が将来のビジョンを共有するのは、とても重要なポイントです。いずれ店をやりたい、田舎暮らしをしたいなどのビジョンがあるなら、早い段階から相手に話しておきましょう。
パートナーの反対を恐れてビジョンを隠し、準備ができてから事後承諾とすることは、夫婦間のトラブルのタネになります。「何の相談もなく1人で進めていたなんて」と相手を傷つけ、信頼関係を壊すことになりかねません。末永く夫婦円満でいるためにも、将来のビジョンはしっかり共有する必要があります。
お互いの価値観を確認する
あらゆることに対する価値観は、日常生活の基本になる重要な感覚です。お互いをよく知らないままスピード婚をすると、価値観の相違からトラブルになる可能性があります。結婚の準備を進める前に、次のポイントをチェックしておきましょう。
- 金銭感覚(1,000円の価値観、高い安いの判断基準)
- 清潔の基準(片付いている、清潔・不潔と感じる程度)
- 休日の過ごし方(インドアかアウトドアか)
- 友人や実家との距離感(友人に会ったり実家に行ったりする頻度、異性の友人との接し方)
- その他、大きな価値観の相違がないか
結婚前に相手の素行を調べる
スピード婚の大きな不安材料は、相手のことを十分に理解しないまま結婚することです。重大な嘘や隠し事に気づけないと、後でトラブルに巻き込まれるかもしれません。たとえば次のようなケースです。
- 別の恋人や子どもがいた
- 多額の借金があった
- 離婚歴を隠していた
- 相手や両親の人柄に問題があった
このようなトラブルを防ぐには、探偵社に「結婚前素行調査」を依頼するのも一案です。探偵はプロの技術を駆使して、相手が明かさない秘密や経済状況、実家の問題などを調査できます。
調査事例
広告代理店に勤める小野茜さん(仮名・28歳)は、友人を通して知り合った3歳年下の男性に、交際2か月でプロポーズされました。彼とは趣味が合い、会話が弾む楽しさから、茜さんはスピード婚に前向きです。
しかし両親や友人からは「もっと長くつきあって、相手のことを知ってから結婚したほうが良い」と反対されました。フィーリングが合うから大丈夫と反論する茜さんですが、周囲にそう言われると一抹の不安を感じます。そして両親は娘を心配するあまり、探偵社へ相手の結婚前素行調査を依頼しました。
すると相手はギャンブル依存症で、多額の借金を抱えていることが判明しました。おまけに「早く結婚して、茜に借金返済を手伝わせる」とまで明言していたのです。これを知った茜さんは、すぐに結婚を取りやめます。
両親が探偵社に結婚前素行調査を依頼したときは、怒りを覚えた茜さんですが、現在は「私を助けてくれてありがとう」と感謝しているそうです。
まとめ
今回の記事ではスピード婚の意味や離婚率、メリットとデメリット、うまくいく人と離婚に至る人の特徴などを解説しました。
結婚までの交際期間が短いスピード婚は、離婚率が高くなることも事実です。しかしメリットもあり、絶対に幸せになれないとは言い切れません。スピード婚でも円満な夫婦になる方法や、上手くいく人の特徴を踏まえて努力すれば、幸せな家庭を築く道が開けます。
ただし調査事例のように、悪意を持ってスピード婚を狙う人がいることも事実です。知り合って間もないスピード婚に不安を感じるなら、探偵社へ相談してみるのも一つの方法です。