行方不明者の届出受理数は毎年8万人にのぼり、届出が出されていない件を含めると、実際は10万人以上の人間が行方不明になっていると言われています。
警視庁が発表した「令和4年における行方不明者の状況」では令和4年は、統計の残る昭和31年以降で最少を記録した令和2年から2年連続で増加し、8万4,910人(前年比5,692人増加)となったとされています。中でも大都会である東京は人口も多く、それに伴い、家出・失踪に関する事案が多く、地方からの家出や失踪事件の舞台が東京になっている事も多くあります。
目次
行方不明者数の推移
引用 警視庁「令和4年における行方不明者の状況」
家出・失踪する理由は
金銭問題
失踪する原因としてかなり多い理由の1つが借金などの金銭問題となります。
配偶者に内緒で多額の借金をしていたことが失踪してから判明するパターンや、独身者が借金取りに追われて失踪したケース、投資や詐欺などの金銭トラブルで行方をくらました人物など、理由は様々です。
男女問題
浮気をしていて愛人と暮らしているケースや、駆け落ちなどで恋人と行方をくらましたケース、借金問題やDV被害などで配偶者や恋人が雲隠れしている問題など、男女間のトラブルでも家出・失踪することは多くあります。
ちなみにDV被害者を探しだす調査は探偵業法で禁止されている行為となり違法となりますのでお引き受けできません。
非行や親への反発
未成年が非行に走ったり、親への反発から家出をすることがあります。
成人よりは警察が積極的に捜索してくれる確率は高いですが、基本的には非行や反発といった個人の問題として処理されるケースも多く、繁華街などで補導されたのをきっかけに行方が知れるパターンなどが多くあります。
仕事上での悩みやストレス
理由としては精神的な問題が多く関係しており、失踪後は社会的な関りを断った生活を送る可能性が他の理由での失踪より高くなる傾向があります。
未成年よりは成人、それも中年以降に多い傾向もあり、社会的な関りを断ってしまった後は捜索しても発見できる可能性が低くなってしまいますので、何らかの予兆が確認された場合は事前に対策をするなどの予防が必要となります。
犯罪に関与
何らかの犯罪に関与している可能性が考えられるパターンがあります。
このケースは本人が望んで関与しているかどうかは定かではありませんが、犯罪に関わっているという自覚は持っている場合が多く、故意的に失踪した、または失踪せざるを得なかったケースが考えられます。
いずれにせよ、犯罪組織や反社会的勢力が関与していることも多いので警察にも必ず相談してください。
拉致や監禁などの事件に巻き込まれた
完全な事件の被害者となってしまったケースになります。
このような事態が想定される場合は一刻も早く警察に相談し「特異行方不明者」として捜索をしてもらう必要があります。
緊急性の高い事案となりますので迅速な対応が求められます。
家出・失踪した人が潜伏している可能性がある場所とは
東京には数多くの街や人が集まる場所が存在しますが、以下では当社が取り扱った事案から統計的に、家出・失踪した人が潜伏している可能性が比較的高いと考えられている場所を解説します。
繁華街
繁華街は、飲食店やネットカフェ・ビジネスホテルなど、とりあえずの飲食や寝泊まりができる環境が多く、家出・失踪した人が潜伏するには適している場所と言えます。
単純に人が集まる場所であることも挙げられますが、新宿・池袋・渋谷の3大繁華街をはじめとし、上野・錦糸町・吉祥寺など、各地に繁華街があり、家出・失踪人の捜索でよく立ち入るエリアでもあります。
風俗街
家出をした女性が高額な収入を得やすい職場として性風俗店があります。
男性の場合でも呼び込みなどの職業があり、寮が完備されていて手ぶらで即日入居可能な場合も多く、家出・失踪した人が潜伏するのに適した環境があります。
ドヤ街
「ドヤがい」とは簡易宿所が多く立ち並んでいる日雇い労働者が多く住む街のことを言います。
東京では山谷(さんや)地区のことを指し、昔は台東区北東部にあった地名で現在の清川・日本堤・東浅草付近のことです。
1泊2千円代で泊まれる宿があり、日雇い労働者に仕事を斡旋する業者が多数いることから、家出・失踪した人が潜伏するのに適した環境でもあります。
家出・失踪した人が働いている可能性がある場所とは
日本一の人口を誇る東京には、数多くの会社やお店・仕事が集中しており、業種や条件を問わず働こうと思えば、どんな状況でも何とかなるものです。
それが東京に人が集まる理由でもあり、それは家出や失踪をした人にも当てはまります。
以下では当社が取り扱った事案から統計的に、家出・失踪した人が働いている可能性が比較的高いと考えられている場所を解説します。
飲食店
日本で最も飲食店が多いのが東京都となり、経済産業省の商業統計調査データによると、その数は80,342事業所です。
また採用条件が緩い事業所も存在し、待遇や時給などの条件を問わなければとりあえず働けてしまうメリットがあるため、家出や失踪をした人にも都合の良い職場になりやすい傾向があります。
風俗店
即日入居可能な寮完備という高待遇や、内容にもよりますが高時給を稼げる業種であるため、家出をした若い女性が働きやすい環境であると言えます。
また、男性の場合でも店舗スタッフや送迎などそれなりの金額が稼げる仕事もあります。
キャッチやスカウト
繁華街や風俗街で道を歩く人に声を掛け、自分が所属しているお店や契約している店舗にお客を紹介して手数料を稼ぐ仕事です。
店舗のカラーにもよりますが、キャバクラなどのキャッチは若い男性が多く、性風俗店の呼び込みには比較的年配の男性も多く見られます。
またスカウトマンはキャバクラや風俗、AVなどで働く女性をスカウトするのが業務となっており、やはり年齢層は若くなっています。なお、どちらも迷惑防止条例違反となり禁止されている行為となります。
日雇い仕事
若い人だと派遣等の仕事をしている可能性はありますが、年配の失踪者などの場合は日雇い労働者として日銭を稼ぎ生活をしているケースがあります。
中年以降の失踪者では、山谷(さんや)地区などの簡易宿所で寝泊まりしながら日雇い労働をしたり、そのままホームレスとして生活をするようになったりと、失踪後は社会的な関りを断った生活を送るパターンも傾向としてあります。
家出・失踪した人をどうやって探し出すのか
ほとんどの場合、何かしらの事情があって家出人・失踪人が存在します。
金銭問題であったり、男女問題やメンタルの問題、非行・反発などが主な理由となる事がありますが、事件・事故など自分の意志とは無関係に巻き込まれたケースを除いて、それぞれの事情で故意的に家出・失踪している訳です。
そして全てではありませんが、そのような人の傾向として多いのが、その人物の情報が表に出にくい生活スタイルを送っているという事です。例えば普通の会社員の場合は本人の住民票が存在し、その場所に普通に居住している事がほとんどです。
会社は福利厚生も完備されていて、社会保険にも加入している、企業のHPには本人が紹介されている事もあり得ます。
そのような場合は探し出すことが容易ですが、そもそも家出や失踪をしている属性の人物はそのような場合が少ないのが現実です。一方で情報が表に出にくい生活スタイルというのは、本人の住民票は存在するが、実家や過去の住所から移動されていない為に現在そこには居住していないケースで、故意的に身を隠している場合は潜伏先に住民票を移動させることはあまり考えられません。
職業も身元がはっきりしている会社員や正社員ではなく、不定期なアルバイトやフリーランス、日雇いの仕事などで身元を偽って働いている可能性も考えられます。では、そのような場合の捜索をどのように行うのでしょうか?重要なポイントは以下のようになります。
家出や失踪後、直ぐに捜索を行うこと
「行方不明者届出」が出され、所在が確認されたうちの79.8%が受理から1週間以内という数字があります。
このことからも家出や失踪者の捜索はスピード勝負ということが分かります。
行方が分からなくなって直ぐであれば、使える手法や分かる情報があるという事です。
例えば、行方が分からなくなる直前までの人間関係から得られる情報や、その時だから協力してくれる人物がいます。
しかし時間が経てば経つほど感情や情報は薄れていくものです。
また、家出や失踪の直後なら携帯電話もつながっている可能性も高く、銀行口座の通帳やキャッシュカードの履歴・引出先などからおおよその潜伏場所を割り出すことも可能です。
しかし時間が経ち、家出・失踪人の生活が安定してくると携帯電話や口座も変更される可能性が高く手掛かりは無くなります。
そして何よりも新しい場所で居場所を得てしまった場合は、もう本人に戻る気持ちが無くなってしまう可能性もあります。
すぐに見つからなくても諦めないこと・放置しないこと
家出や失踪直後、出来ることは行ったのだが残念ながら発見に至らなかったケースでも、諦めずに捜索は継続するべきです。
勿論、民間の調査会社や探偵にいつまでも依頼を継続できるほど無尽蔵に資金がある人は少ないでしょう。
しかしそこで諦めて放置してしまうと、もう見つかる可能性は限りなく少なくなってしまいます。
お金を掛けずにご自身でもできる事はあります。最低でも家出人・失踪人の友人や知人、捜索の協力者には定期的に連絡をするべきです。あなたが諦めてしまうと協力者からの情報も途絶えてしまいます。
諦めずに粘り強く探し続けた結果、協力者からの思わぬ情報提供から再捜索を本格化し、発見に至ったケースもあります。
以下では、家出や失踪後1週間以内でスピード解決した事例と、一定期間以上が経過した後に発見することができた事例を解説しています。
※守秘義務に反しないように一部改変を加えています。
事例1.父親に反発し突発的に家出をした娘の捜索依頼
父親に反発し突発的に家出をした娘の捜索依頼を受けました。
父親は捜索に積極的ではありませんでしたが、娘の性格を熟知していた母親は一刻も早く連れ戻さないと大変なことになりかねないと、家出をした翌日に警察への捜索願と、探偵への捜索依頼をしました。
手掛かりは何もない状態でしたが、母親と姉の協力で娘の交友関係リストを作成してもらい、そのリストをもとに片っ端から聞き込みを行い、情報提供者や協力者には協力金を惜しまず支払いました。
そのうち娘の交友関係内で噂は広がり、どこからともなく娘はとある風俗街に潜伏しているとの情報が入りました。
弊社はすぐに風俗街の店舗や案内所、派遣型風俗店への協力依頼と捜索を警察と連携して行いました。さ
らに母親の許可を取り、娘の顔写真付きの手配書をいたるところに配布し、わざと大げさに捜索することでちょっとした騒動が起こっている雰囲気を醸し出しました。
警察も動いている事からも、関係者は協力的になり、また顔写真付きの手配書が配布されていることから、本人の情報は直ぐに集まり、本人も恥ずかしいからやめてくれと母親に連絡を入れてきました。
結果的に母親の説得で娘は風俗店を辞め実家に戻りました。
事例2.裏切りが発覚後に行方不明になった部下を捜索
ある会社経営者は信頼していた右腕ともいえる部下から裏切りにあいました。
裏切りが発覚し当初行方不明になった部下を広範囲で捜索しましたが、結局見つかることはありませんでした。
しかし弊社が構築した関係者リストと、今後接触する可能性が高いであろうコミュニティリスト、ビックデータの多角的リストなどを活用し、また新たな情報提供者の構築、協力金の配布などを行い、部下を泳がしながら水面下で尻尾を掴むタイミングを待ちました。
そして半年後、ある一報から事態は好転し部下を発見することができました。
人間にはそれまで培ってきたこと全てを捨て、全く新しいことを始めるのは難しいことで、期間が経過しほとぼりが冷めたと思ったらまた同じ道に戻ってくるケースは多くあります。
部下が同業種を続けるであろうと読んでいた事、諦めずに捜索体制を維持継続していたことが生きた事案でした。
東京での家出・失踪人の捜索まとめ
捜索には様々な方法があります。
重要なことは家出・失踪人の現状を正しく理解把握し、捜索する人物の属性や行動パターン、情報を組み合わせ、人員を投入するのか?データや情報提供者を集めるのか?警察に効率的に動いてもらうにはどうすれば良いのか?など、確率の高い方法をチョイスし実行できるノウハウが必要となります。
弊社は東京での家出・失踪人の捜索に豊富な実績があります。お悩みの際は一度ご相談ください。