従業員を雇う際は、事前に応募者の経歴や申告内容を確認し「採用調査」を行うことで「採用後のミスマッチ」「経歴詐称」などの問題を未然に防ぐことが可能となってきます。「背景調査」「バックグラウンド調査」とも言われますが、新卒採用は勿論のこと、中途採用や幹部候補、ヘッドハンティングした人材などにも、雇用前に行う調査の必要性を感じることが多くなってきています。
こんなお困りごとはありませんか
- 採用調査の方法が分からず困っている
- 自社で採用調査を進めたいが、なかなか時間が取られない
- 自社で行った採用調査に関して問題が生じた
- 自社で行った採用調査では内容が不十分だと指摘された
- そもそも採用調査を自社で行う事に抵抗がある
- 専門家に相談しながら採用調査を進めたい
なかなか難しい採用に関する調査
自社で雇用前に採用調査を行うメリットとしては、外部に委託するコストが掛からないことが挙げられますが、近年は「個人情報保護法」に注意を払った内容で調査を行わなくてはならず、配慮が必要な情報の取り扱いに関して何をどこまでどうやって調べて良いものか?という疑問や、情報の取得方法についても調査対象者に不利益にならないよう気を付けて行う必要があります。
また、情報源となる前職の企業や職場の同僚、関係者なども「個人情報保護法」を理由に回答を拒否するケースが多く、ノウハウの少ない企業が自社で採用調査を行うことのハードルが高くなってきています。
こんな事例がありました
- 一流大学を出て一流企業の海外勤務をしていたのが、全くのでたらめな経歴だった。
- ライセンスに詐称があった。必要な資格を取得していなかった。
- 経歴を信用して採用したが、必要な能力を有しておらず、著しく能力が不足していると言わざるを得ない状況である。
- ヘッドハンティングした人材が、能力は有るのだが素行が悪く「半グレ」の一員だった。
- FC加盟店の候補者が詐欺師だった。
採用調査はどのように行うのか
雇用前の採用調査を行うためには、どのように進めていくことになるのでしょうか。以下では調査項目や情報の取得方法、行ってはいけない禁止事項などを解説しています。
学歴の確認
履歴書に記載された学歴のチェックを行います。方法としては以下の3パターンがあります。
- 本人に卒業証明書を提出させる
- 本人から委任状を取り、採用担当者または探偵が代理で取得する
- 卒業者名簿や各種ビックデータを用いての調査、メディアチェックやSNS調査を行う
職歴の確認
履歴書や職務経歴書に記載された職歴のチェックを行います。方法としては以下の4パターンがあります。
- 本人に在籍証明書や退職証明書を提出させる
- 本人から委任状を取り、採用担当者や探偵が代理で取得する
- 各種ビックデータを用いての調査、メディアチェックやSNS調査を行う
- 電調(電話による確認)や直接取材・聞き込みを行う
前歴の確認
前科や前歴などいわゆる犯罪歴をチェックします。日本では警察が犯罪歴をデータベース化していますが、原則完全非公開で第三者はもちろん自身の犯歴も取得することは出来ません。
ひと昔前なら知り合いの刑事に連絡をして犯歴を教えてもらう探偵の姿が小説や映画で描かれていたかもしれませんが、現在ではデータベースにアクセスするにも本人確認やアクセス記録が残る仕組みが当たり前となり、簡単に刑事に頼めるような案件では無くなっています。
現状では探偵が行う方法として、過去の事件などを実名検索できる有料媒体を利用したメディアチェックや、探偵社独自で構築しているビックデータがあります。
警察で過去の犯罪の照会は出来ませんが、毎日リアルタイムで起こる事件は新聞やニュースで実名報道されています。その情報を日々構築しデータベース化して犯歴チェックに活用することは可能です。
訴訟歴の確認
過去に訴えを起こされていないかを確認します。訴訟記録は裁判所が保有しており、原則公開されていますが当日の事件番号と原告・被告の氏名といった基本情報が掲載されているのみです。リアルタイムで行われている裁判であれば傍聴も可能ですが、過去の事件を照会することは難しいのが現状です。
この場合もやはり探偵が行う事はメディアチェックや、独自に保有するビックデータでの調査となります。全国で毎日行われている裁判記録を全て網羅することは困難ですが、全国的に報道された事件や、大都市に限っては過去十数年に遡って事件の照会が可能なデータベースを構築しているものなど、取り扱うビックデータの種類も探偵により異なってきます。
破産歴の確認
過去に破産しているかをチェックします。探偵が行う方法として官報に掲載された破産記録や各種データベース検索があります。
リファレンスチェック
欧米では採用の際に行われる一般的な行為で外資系企業に実施されることが多く、日本にはあまり馴染みがありませんでしたが、近年は日系企業でも行う機会が増えています。
基本的に採用候補者本人の同意を得て行うものですが、日本の場合はまだそこまで浸透していない為、同意なしで行うことも多くあります。しかし「個人情報保護法」を十分に理解していないと実施する事が困難になるケースや、場合によってはトラブルになる事もありますので、ノウハウのない企業が自身で行う事は難しい場合があります。
反社チェック
反社会的勢力との繋がりをチェックします。警察署・暴力団追放推進センターでの照会や、各種ビックデータからの情報収集がメインの手法となりますが、近年では組織に属していないだけでやっている事は変わらない「半グレ」のケースや、身なりや言動はごく普通のビジネスマンだが裏では詐欺師だったなど、実際に行動を目で見て確認しないと分からない場合があります。そのような時に有効な手段として素行調査が挙げられます。
住所確認や素行調査
申告している場所に本当に居住しているのかを確認し、必要であれば張り込み・尾行を行って普段の素行を調査します。採用候補者の交友関係や副業の有無など、採用を決定してから判明したのでは遅いコンプライアンスに係る問題や、隠している裏の顔を秘密裏に暴きます。
行ってはいけない行為とは
採用候補者の人種に関してや、出生・出身地などを差別的目的で調べる行為、信仰する宗教や性的マイノリティに関する項目で採用候補者を判断する行為、その他、差別や偏見、本人の不利益となる手法を用いて調査を行う事は禁止されています。
当事務所の調査事例
事例
幹部候補としてヘッドハンティングの依頼を受けたA社は、優秀な人材B氏を発掘しました。A社はB氏がクライアントの必要とする能力を備えていると確信していましたが、B氏にはプライベートの素行面で問題を抱えている噂がありました。そこでB氏の採用判断材料として弊社の「雇用前調査」を依頼しました。
学歴や職歴、その他実績や能力面では何も問題ないことが分かっていたB氏に於いては、前歴や訴訟歴、破産歴や反社チェックといったいわゆる「バックグラウンド調査」を行い、ピンポイントでの素行調査も実施しました。
調査の結果、幸いB氏の噂は単なるデマであることが判明しました。A社は調査報告書をエビデンスとしてクライアント企業にB氏を紹介しました。
料金
バックグラウンド調査 | ¥60,000 経費別 |
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素行調査 | ¥78,000 |
雇用前調査の料金
- 新卒採用調査 ¥30,000~
学歴・各種メディアチェック・SNS調査~
- 中途採用調査A ¥50,000~
学歴・職歴・各種メディアチェック・SNS調査・バックグラウンド調査~(反社チェック・前歴・訴訟歴・破産歴)
- 中途採用調査B ¥100,000~
学歴・職歴・各種メディアチェック・SNS調査・バックグラウンド調査~(反社チェック・前歴・訴訟歴・破産歴)リファレンスチェック及び現地確認
※場合により素行調査、別途見積り
雇用前調査に関するよくあるご質問
ご依頼いただいてからご報告までを7営業日以内で完了、最短で即日対応も可能です。
対応可能です。対応エリアは日本全国になります。
可能です。年間契約など人数により契約内容を調整させて頂いております。
雇用前調査まとめ
雇用のため採用調査を行う事は法的に問題ありませんか?という質問をいただくことがありますが、法的に採用調査が禁止されているということはありません。
しかし採用候補者を調べるという行為が、信用していない粗探しをしていると感じる経営者の方もいて、特に日本では調査をする事に躊躇されている方が多く見られます。
他、先進国では雇用の際の採用調査やバックグラウンド調査、リファレンスチェックなどは当然のように行われている事が多く、それは雇用する側の権利でもあると考えられています。ろくに調べもせずに採用した人材が何か重大な問題を起こした時、それは採用した側にも責任が及ぶこともあり得るからです。
日本人はその国民性からなのか、調べるという後ろめたさのような感情が調べないリスクを上回っている経営者をよく見かけます。逆に採用担当者は自身に決裁権がある場合、採用調査を検討する傾向が強く見られます。これは採用を決定する為のエビデンスとなる資料が欲しいという事はもちろんですが、自身が採用した人材に問題があった場合の保険と考える人もいます。
弊社では雇用の際の採用調査やバックグラウンド調査、リファレンスチェックに於いて豊富なノウハウと確かな実績があります。お悩みの際はご相談ください。