探偵に浮気調査を依頼したいけれど、どこから手をつければ良いのかわからない。おそらく、検討されている方の多くが、そうお悩みのことでしょう。
浮気調査は、友人や知人に相談するには内容が重く、費用もそれなりにかかることです。ほとんどのお客様にとって、浮気調査は初めてのことになりますから、戸惑ってしまうのも無理はありません。
実際のところ、依頼に際しては、慎重に考えるべきことがたくさんあるのです。
本記事では、20年以上のキャリアを持つ現役探偵に「浮気調査の依頼で失敗しない為には」というテーマでお話を伺っていきます。
今日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
浮気調査の依頼には、いくつかの方法があるかと思います。具体的に、どのような経緯での依頼が多いんですか?
最も多いのは、インターネットの検索結果から私共の会社を見つけて、ご依頼いただく形です。
それ以外は紹介ですね。弁護士や離婚カウンセラーのような専門家、あるいは友人知人から紹介されたケースがほとんどです。
インターネットで検索するのは、誰もが真っ先に思いつく方法かもしれませんね。これには、どんなメリットとデメリットがあるんですか?
メリットはやはり、複数の探偵社のホームページを比較して、どこに依頼するかを決められることでしょう。
しかし、このことはデメリットにもなりかねません。
どういうことでしょうか?
まず、たくさんのホームページを見過ぎると、却って情報過多になってしまうということ。
次に、ホームページの記載内容が実際と違ったり、集客目的の誇大広告だったりする場合があること。このふたつです。
確かにそうですね。それなら、インターネットで検索するより、誰かに紹介してもらうほうが良いということですか?
いえ、そうとは限りません。
単に知人だから、つながりがあるから、という理由だけで紹介することもあり得ますから。
それに、何かトラブルが起きた時、思うように主張できないことがあるかもしれません。
なるほど。言いたいことを強く主張して、紹介した方と気まずくなっては困りますよね。では、実際に探偵社を決める際、大切なことは何でしょうか?
やはり、ご自身で比較する情報や、判断材料を持つことだと思います。
ホームページに書いてあることを鵜吞みにしたり、誰かの紹介だからと安心しきったりしないことですね。
しかし、ご自身で「比較する情報や判断材料」を持つというのは、なかなか難しいことだと思います。実際のところ、ホームページから拾い上げるか、依頼を検討している会社に問い合わせるしかありませんよね。何か、情報収集に関するアドバイスはありますか?
まず、ホームページの場合は、その会社の本社所在地を確認することが大切です。
広告を掲載しているのに、実はネットにしか存在しないという会社があるんですよ。
えっ! そんな会社のホームページを鵜呑みにしたら大変ですね。
そうなんです。ですから、ホームページの会社概要が正しいかもチェックしてください。
例えば、その会社が法人であれば、法務局で会社の登記簿謄本を取って確かめるという方法があります。
あとは、ホームページに代表者の顔写真があるかどうかを見ておくのも良いですね。
確かに、責任者の顔が見えれば、少しは安心できそうです。では、ホームページの情報以外に、確認しておいたほうがいいことはありますか?
その探偵社が、公安委員会から「届出番号」を取得しているかどうか、確認してください。
探偵社が浮気調査を行うには、必ず公安委員会への届出が必要なんです。これをしないと、適法な事業者とはなりません。
あとは、業界団体に加盟しているかどうかも、判断材料のひとつにはなります。
業界団体への加盟も、探偵社の義務なんですか?
いえ、義務ではありません。
しかし、トラブル対応などのことを考えると、業界団体への所属の有無については、確認しておいたほうが良いと思います。
また、業界団体はいくつかありますから、所属団体の規模や運営状況、加盟業者数なども要チェックです。
なるほど、確認しておくべきことがいろいろあるんですね。では、探偵社を紹介するサイトで調べるのはどうでしょう? 間違いなさそうにも思えますが……。
そのようなサイトはよく「あなたに合った探偵を紹介します」と謳っていますが、実は広告代理店の運営サイトというケースが多いんです。
ですから、そこに紹介されているのは、そのサイトに手数料を払った探偵社になります。
広告代理店のサイトだったんですか。それでは、あてになりませんよね。
勿論、そこで紹介された探偵が、駄目だということではありませんよ。
しかし、紹介サイトはどうしても、各社それぞれの特徴までは伝えられません。
探偵社が独自に作るホームページなら、その会社の考え方や想い、こだわりなどが垣間見えるんですけどね。
紹介サイトには限界があるんですね。実際のところ、探偵社というのは、どれくらい宣伝広告費をかけているんですか?
それは、宣伝の方法によって違います。
よく、Googleなどでキーワード検索すると、上のほうに「広告」と表示された検索結果が出てきますよね。
「リスティング広告」というのですが、これはワンクリックされるごとに、数百円から数千円の広告費が発生するんです。
ワンクリックで! それなら、10,000回クリックされたら、数百万円から数千万円ですよね。これは、掲載してもらっている探偵社が支払うんですか?
ええ。ですから、探偵社はこの莫大な費用を調査料金に上乗せします。
間接的ではありますが、お客様が宣伝広告費を負担しているんですよ。
リスティング広告の下に表示される「広告」が付かない検索結果は、ワンクリックいくらなんですか?。
リスティング広告の下は、自然検索と呼ばれる枠です。
上のほうに表示されるために、SEO対策と呼ばれる工夫が必要になるのですが、費用はかかりません。
勿論、調査料金への上乗せも発生しないんです。
会社によって、宣伝広告費の金額も全然違うんですね。ところで、探偵社の多くが、ホームページに料金表を載せていますよね。実際に調査依頼をするお客様は、それを見て料金を確認しているのですか?
おそらく、そうだと思います。
でも、中には料金表をわざと複雑にして、実際より安く見せている会社もあるんですよ。
えっ! それでは、実際に依頼したら予想外に高額だった、ということになりかねませんね。そういう会社を見分ける方法はあるんですか?
このような会社は大抵、電話で金額の見積もりを依頼しても、対応してくれません。
ケースバイケースなどと理由をつけて、他社との相見積もりに応じないんです。
普通は、電話相談なら充分にヒアリングできるんですが。
電話での依頼に応じずに、直接会ってから話すということですか?
ええ、すぐにお会いして話を聞きましょう、などと言ってきます。
こんな会社と面談することになったら、大変ですね。実際に会ってしまったら、どんなことに注意が必要でしょうか?
面談をした場合は、調査プランや見積金額を聞いて、必ず一度持ち帰ることが大切です。
このような会社には、大抵、依頼を取るための営業マンが所属しています。彼等は歩合制ですから、とにかく依頼を取りたいんですよ。
なるほど、相談員ではなく営業マンなんですね。このような会社には、どんな傾向があるものですか?
電話で問い合わせるとすぐに面談したがる、クロージングが強い、契約をしないと帰れない状況を作り出す。
こんな傾向がある会社は要注意です。依頼したとしても、満足な結果は出にくいですから。
逆に、心情的に対応する相談員もいると聞きますが、こちらはいかがでしょうか。
はい、離婚などの人生経験が豊富な、年配女性の相談員に多いようです。
このような方は人当たりが良いですし、落ち着いて話を聞いてくれますので、女性のお客様は安心して依頼できるんでしょうね。同じ境遇を経験している、というのも好材料ですから。
とても良さそうに聞こえますが、デメリットはないんですか?
現場を知らない方が多いことです。
そういう相談員は、現場の探偵と、きちんと連携を取れない場合があるんです。
そうなってしまうと、お客様の相談内容と調査技術に、大きなズレが生じる可能性が出てきます。
逆に、現場を知っている相談員は、調査プランや細かい見積もりも正確ですよ。愛想が悪かったり、依頼主の心情をフォローしなかったりすることもありますが……。
今のお話の中に、調査プランや細かい見積もり、という言葉がありました。それは、実際にこういう調査をします、それには費用がこれくらいかかります、という具体的な提案なのでしょうか?
お客様のお悩みを聞いた探偵社は、問題解決のために効率的なプランをご提案して、それにかかる費用のお見積りをします。
しかし、中にはプランの詳細を出さず、無駄な調査をして契約時間を稼ぐ業者もいるんです。
無駄な調査! それを防ぐためのポイントはありますか?
プランの段階で、いくつか確認しておくべきことはあります。
例えば1日の調査時間、調査開始と終了の連絡の有無、調査終了と再開の状況設定などですね。
逆に、流動的な動きや調査日程に対して、柔軟に対応できるかどうかも聞いておきましょう。
実際に、無駄な調査が行われた例を教えていただけますか?
他社の案件ですが、調査員の親切な態度に安心して、2週間の浮気調査を契約したお客様の例があります。
調査対象は夫でしたが、会社経営で動きが不規則なため、2週間は必要だと言われたそうです。
しかし、曜日設定や時間配分などの説明はなく、睡眠時間を考慮した調査不要時間の設定もありませんでした。
プロの仕事ですからお任せ下さい、という感じでしょうか。
その通りです。
しかし、実際には朝4時から調査したり、夫が帰宅してからも監視を続けたりと、無駄が多かったんです。
結果、2週間では証拠を撮れなかったのですが、お客様は金銭的に厳しくなってしまい、追加調査はできませんました。
それまでの調査費用も無駄になってしまったんですね。でも、お客様は調査員に、リアルタイムでの連絡はできなかったんでしょうか? たとえば、夫の帰宅後は調査不要とか。
お客様は、契約を担当した相談員にしか連絡できなかったそうです。
この例を見ても、契約時には、きちんとプランの内容を把握することが重要だとわかりますね。
最後に、浮気調査の依頼で失敗しないポイントを、改めて教えてください。
まず、ご自身が何を目的に調査依頼をするのかを明確に決めましょう。
その上で、調査内容、方法をきちんと提示してくれる探偵社を選ぶことです。
そのためには、冒頭でおっしゃっていた「比較情報や判断材料」が重要になるということでしょうか。
その通りです。お客様ご自身が、比較情報や判断材料を持ったうえで、探偵社を選ぶことが大切なんですよ。
その結果、浮気調査がお客様の助けになれば、それが「調査の成功」なのだと思います。
ありがとうございました。
本日は「浮気調査の依頼で失敗しない為の方法」について、現役探偵にお話を伺いました。このインタビューが、問題解決の糸口になりましたら幸いです。