探偵に浮気調査を依頼した場合は、浮気調査の結果をまとめた報告書を作成してもらえます。その報告書がいったいどんな内容でどう活用できるのか、くわしく知りたいと思っている方は少なくないはずです。
そこで、活動歴20年以上のベテラン探偵に、浮気調査の報告書についてインタビューを行いました。報告書がどのようなもので、どう活用するのが効果的なのかを紹介します。
本日はご多忙の中貴重なお時間をいただきありがとうございます。
いえとんでもありません。こちらこそよろしくお願いします。
さっそくですが、浮気調査の報告書の一般的な形式について教えていただけないでしょうか?
報告書の形式は各探偵社ごとに若干異なりますが、調査対象者の行動について時系列で示し、その様子を写真や文章で説明しているのが最も一般的ですね。
ただ、探偵社によっては時系列と写真をそれぞれ分けている場合もあります。前半に時系列を記載してまず流れを説明し、後半に写真をまとめたりなどです。
また、最近では依頼者がよりわかりやすいように、動画を活用している探偵社もありますね。ただ、メジャーなのは最初にお話した時系列ごとに写真や文章で説明している報告書ですが。
なるほど。一言に報告書といっても、探偵社ごとに形式がそれぞれ違うんですね。では、内容についてはどうでしょうか?
大原則として探偵が目撃した事実のみを客観的に脚色することなく報告します。
虚偽などはもってのほかですし、探偵の主観が入ることもありません。小説や映画などのフィクション作品では探偵が真実を求めて推理をしますが、実際は事実をわかりやすく端的にまとめるだけです。
ですから報告書の質の良し悪しは、探偵の調査能力が深く関係しているといえるでしょう。
調査能力とは、尾行や撮影などの能力です。尾行が下手で調査対象を見失っていたのでは話になりませんし、決定的な瞬間を目撃しても撮影できなければ証拠を押さえられません。
極論になってしまいますが、探偵が調査対象者のすべてを把握できさえすれば、浮気が事実かそうでないかは必ずわかります。
ただ、探偵が口頭で「浮気しています」「浮気していません」と言うだけでは説得力に欠けますので、証明するための写真や動画が必要不可欠ですね。
フィクション作品では探偵の推理が見せ場ですが、実際は事実をとにかく正確に伝えるということですね。裁判で役立つような良い報告書の特徴とは何でしょうか。
裁判で有効的なのは、密会や肉体関係など誰もが疑わない決定的な証拠があることです。
具体的には浮気の現場を撮影した写真や動画です。たとえば調査対象者と浮気相手が飲食店を出てラブホテル街へ向かう姿だったり、ラブホテルに入る様子だったりなどです。
また、これらの状況を撮影した写真や動画は、鮮明でなければ意味がありません。写真や動画が不鮮明だと「私じゃない」「ホテルには行ってない」など、言い逃れされる余地を与えてしまうからです。
調査対象者が浮気をしているのか否か、一目瞭然でなければいけないということですね。では、価値が低いのはどんな報告書ですか?
プロとしてあってはならないことですが、探偵も人間ですからミスはあります。
問題はミスした後の行動で、ミスを隠すような信憑性に欠けた報告書は価値が低いといわざるをえません。
なぜなら、報告書の中に虚偽が含まれている場合、他の真実の部分も嘘ではないかと思われて信用されないからです。
このような報告書は問題外だといえるでしょう。
他にも文章ばかりで画像や動画が少ない、浮気を断定できる肝心の証拠が何もない、探偵の憶測の域を出ていない、違法な方法で証拠を収集しているなども、価値が低い報告書の特徴です。
報告書は調査対象者のすべてがわからないといけません。ただ、場合によっては調査対象者が周囲を警戒しながら浮気をすることもありますので、すべてを把握するのは至難の業です。探偵の力量が試されるのは間違いありませんね。
なるほど。単に報告書を作成するだけでは不十分だとよくわかりました。次に報告書の活用法について教えていただけないでしょうか?
実は報告書の証拠の活用法は、証拠を収集するのと同じぐらい重要なんですよ。証拠を効果的に活用できるかどうかで、その後の展開がまったく違ってくるといっても過言ではありません。
最も大事なのは、浮気を知った依頼者が最終的にどうしたいのかです。
たとえば離婚して配偶者と浮気相手の両方に慰謝料を請求する、離婚はせずに浮気相手だけに慰謝料を請求する、浮気相手に配偶者に会わないと誓約してもらうなど、依頼者の希望はケースバイケースです。
ただ、どのような希望であっても、土台になっているのは報告書にある浮気の決定的な証拠です。
確かにそうです。それぞれのケースで報告書が有効活用されるわけですね。
はい。離婚して配偶者と浮気相手の両方に慰謝料を請求する場合は、まず配偶者に離婚の申し立てをします。
この時不貞行為の慰謝料請求もされるため、財産分与などと合わせて請求することが多いです。
浮気相手の請求は、別で行うのが一般的です。
浮気相手だけに慰謝料を請求する場合は、まず配偶者に過ちを認めさせないといけません。
過ちを認めれば浮気相手との関係は切れますから、配偶者の介入なく浮気相手に慰謝料をしっかりと請求できます。
関係が切れていないと配偶者が浮気相手を助けたりするので、十分注意しないといけません。
浮気相手に配偶者に会わないと誓約してもらう場合は、報告書の浮気の証拠をもとに公正証書を作成します。
もしも約束を反故にしたら違約金が生じるようにしておくと、浮気の抑止力になりますね。
証拠はケースごとにいろいろな活用法があるんですね。もしも証拠がなかったら、このような活用法はできません。依頼者が希望を通すために証拠がいかに重要なのか理解できました。活用する際に何か注意点はありますか?
浮気トラブルは複雑で、最低でも依頼者・配偶者・浮気相手の3人が存在します。それぞれに違った思惑がありますので、配偶者や浮気相手がどう行動するかによって考え方を柔軟に切り替えなければいけません。
頭に血が上ってカッとなってしまうと判断を誤りやすいので、辛いかもしれませんが冷静に最適な証拠の活用法を見つけましょう。
ただ、安心してください。探偵は依頼者ごとにそれぞれ適した証拠を全力で収集しますし、活用法についてももちろんアドバイスします。
探偵に依頼した時点で味方ですので、どうすれば良いのかわからなくなった時は遠慮なく頼っていただきたいです。
浮気トラブルは人間関係が複雑に絡んでいるため冷静さを欠いてしまいがちですが、探偵を頼りながら効果的な活用法を見つけていけば良いということですね。今日はとても勉強になりました。最後にメッセージがあればお願いします。
今日は探偵に浮気調査を依頼した場合に受け取れる報告書についてお話させていただきました。
報告書の形式や良し悪しについて解説しましたが、決定的な証拠があるものが良い報告書です。
良い報告書を武器にすれば裁判でも必ず役に立ちますので、依頼者の希望を叶えられます。希望する結果になるように、効果的な活用法を一緒に探っていきましょう。
依頼者が心から満足する報告書の作成に努めますので、浮気問題でお悩みの方はぜひともご相談ください。