企業は業務に適した人材を求めて採用活動をおこないますが、中途採用を実施する場合は注意が必要です。
求職者には履歴書や職務経歴書などの提出を求めますが、申告内容がすべて真実とは限りません。
是が非でも採用されたいために、虚偽の申告をする可能性があります。
業務に不適格な人材の採用は企業にとってマイナスですので、求職者の身辺調査をする場合があります。
その際調査の精度を高めるため、プロの探偵に依頼するケースもめずらしくありません。
企業の採用担当者は、中途採用における求職者の身辺調査についてくわしく知りたいのではないでしょうか。
そこで、実績豊富な現役のプロ探偵にインタビューをおこないました。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
単刀直入に伺いますが、中途採用において企業は求職者の何を調査するのでしょうか？
どのレベルで実施するかにもよりますが、基本的には求職者に関するすべての情報を調査します。
履歴書や職務経歴書などに記載されている学歴や職歴の事実確認をはじめ、犯罪歴・訴訟歴・破産歴などが主な調査の対象です。
それ以外に、反社会的勢力との繋がりや人間性を見極める目的の素行調査なども該当します。
かなり本格的です！企業はそれだけ採用で失敗したくないということですね。企業の中途採用時の調査についてもう少し詳しく教えてください。
わかりました。まずは履歴書に記載されている学歴の確認からです。
本人に卒業証明書の提出を求める方法がありますが、学歴を詐称する求職者は偽造しかねません。
そこで、SNSや卒業名簿をチェックし、本人には秘密のまま調査します。
また、職務経歴書に記載されている職歴についても同様です。
在籍歴のある企業に対して事実確認をおこないます。調査で特に重要視するのがスキルや経験です。
資格と違ってスキルや経験は目に見えませんよね。
求職者が嘘をつく可能性がありますので、入念に調査しないといけません。場合によっては在籍歴のある企業に直接取材するケースもあります。
調査するとなったら徹底的ですね。求職者の背景や素行調査についてはいかがでしょうか？
求職者の犯罪歴を知りたい場合は警察など公的機関のデータベースが確実ですが、この情報は本人を含め公開されていません。
そのためネットや新聞などのメディアを調査して明らかにすることが多いです。
反社かどうかも同様ですね。また、自己破産は官報に記載されますので、それをチェックすることもあります。
求職者の背景を調査して疑わしい場合は、さらに深く追求するために尾行などの素行調査を実施することもあります。
素行については一定期間観察しないとわかりませんよね。
たとえば実は裏で反社とつながっていたり、日常的に他人への迷惑行為をしていたりなどです。
こうした人物だとわかれば採用は見送られます。
求職者を多角的に調査していることがよくわかりました。ふと疑問に思ったのですが、中途採用時の身辺調査は法律に抵触しないのでしょうか？
中途採用時の身辺調査に違法性はありません。
ただ、調査方法に問題があったり差別的な要素を含んでいる場合は除きます。
求職者が実害を被るような調査はやめるべきです。
たとえば人種・出生・宗教・性的マイノリティなどに関する調査です。
これらに関する項目は、差別や偏見の要素が強いため違法になりかねません。
採用のためという大義名分があっても、求職者が不利益を被る調査は御法度です。
なるほど。近年は多様性が尊重されるようになりましたので、調査は細心の注意を払って実施されるということですね。次に企業が探偵に求職者の身辺調査を依頼するメリットについて教えてください。
もしも企業に身辺調査のノウハウがまったくない場合は、大きなメリットがあります。
先ほども説明した通り、身辺調査は注意しないと法律に抵触しかねません。故意でも過失でも違法調査が発覚すれば、企業の信用は地に落ちてしまいます。
そうならないためには、プロの探偵に依頼するのが無難です。探偵は探偵業法に基づいて聞き込みや尾行などの調査をします。
違法性を問われることなく求職者を調査できますし、質も一定レベルを期待できます。
確かに一般的な企業は身辺調査のノウハウがないでしょうから、探偵に依頼するメリットが大きいですよね。デメリットはありますか？
老舗ですでに身辺調査のノウハウがある企業は、探偵に依頼した場合のコストがデメリットになってしまいます。
ただでさえ採用活動にはコストがかかりますから、余計なコストはかけたくないですよね。
そこで、中途採用時に求職者の身辺調査を組み込んでいる企業は、まず自社で簡単な調査をして求職者をふるいにかけ、疑わしい場合のみ探偵に依頼して追加調査する方法を取っています。
この方法ならコストを最小限に抑えられます。
なるほど、それならコストを抑えつつ求職者の身辺調査ができますね。ところで、新卒と中途採用で調査に違いはあるのでしょうか？
新卒と中途採用の一般的な違いについて考えてみてください。
新卒と違って中途採用には職歴があります。
中には何回も転職している求職者もいますから、その場合はさかのぼって調査をしないといけません。
また、前職に就いていた期間が1年以内など短い場合も、業務内容や評価が最大の焦点になります。
何か問題が潜んでいる可能性があります。
求職者がどんな仕事をしてきたのかをくわしく調査するということですね。具体的な調査方法を教えていただけないでしょうか。
一般的には求職者の同意を得て、前職で業務上の関係が深かった上司などに取材することが多いです。
求職者と近しい人物に取材すれば、前職での勤務態度・実績・評価がある程度は明らかになります。
求職者の同意は取らなくても問題ありませんので、同意を得ることなく取材するパターンもあります。
そこまでしないと求職者の仕事の能力がわかりませんし、企業も採用で失敗するのは避けたいはずです。
お金と時間はかかりますが、それだけの価値は十分にあるといえるでしょう。
探偵に身辺調査を依頼する場合の料金はどうなっているのでしょうか？
料金は各探偵社ごとにそれぞれ異なります。また、調査内容によっても料金が違いますので、調査前に必ず料金プランについて問い合わせてください。
私どもの場合も2つのコースがあります。
調査項目にリファレンスチェックや現地確認などが加わると料金が高くなりますので、詳細を聞いてから判断するのがおすすめです。
今日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。最後に企業の採用担当者へメッセージをお願いいたします。
中途採用における求職者の身辺調査についてお話させていただきました。
どの企業の採用担当者も、優秀な求職者の採用を希望しているはずです。ただ、求職者の中には経歴などを偽っているケースもあります。
そんな求職者を採用しないためには、事前の身辺調査が有効的です。
もしも自社での対応が難しい場合は、探偵への依頼を検討してみてください。
学歴・職歴・犯罪歴・訴訟歴・破産歴などを、合法的に調査いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。
