過去の知り合いや失踪したご家族、音信不通になってしまった大切な人。会いたい人に会えないのは本当に辛いことです。
しかし、ご自身での人探し調査は決して簡単ではありません。どうしても見つけたいなら、闇雲に探し回るのではなく、調査のコツを踏まえて効率的に動く必要があります。
今回の記事では、20年以上のキャリアを持つ現役探偵に「自分でできる人探しと探偵に依頼する際のポイント」というテーマでお話を伺いました。
本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
調査の知識を持たない個人の人探しは、容易ではないと伺いました。実際のところはどうなのでしょう。
そうですね、もし探したい相手が、自らの意志で姿を隠しているとしたら、その足取りをつかむことは難しいです。
その人が大きな問題に巻き込まれた、あるいは病気や事故などで、自分から連絡できずにいることも考えられます。
意外なところでは、本人が関係を断とうとしている場合もありますね。
一般的に、人は住民票や社会保険など、公的な規律の中で暮らしています。しかし、姿を隠そうとしている失踪者は、身元確認がいらない住まいや仕事を選び、社会保障から外れていることが多いのです。
管理の緩い宿泊施設や職場は、他人を警戒しがちなので、情報を探るのは大変です。そのような場所で、実名を隠して生活しているとしたら、調査はさらに難航するでしょう。
何かしらの理由で連絡できない、あるいは本人が関係を断っているケースはいかがですか?
犯罪や借金問題など、連絡を取りにくい理由で失踪したのなら、見つけるのは困難です。そのようなときは、コンタクトを取ることで起こる不都合やトラブルを想定して、連絡を控えてしまうかもしれません。
また本人だけでなく、一緒にいる人が問題に関係していることも考えられます。
もうひとつ起こり得るのは、病気や事故で何らかの障がいが起き、連絡を取れない状況にいることです。その場合は、探す側の強い働きかけが必要になることも、向こうからの発信にタイムラグが生じることもあるでしょう。
本人が自治体などから保護を受けている可能性を考慮して、警察へ届出を出すと同時に、公的機関へ確認することも大切です。
本人が連絡を絶ったケースは、探したい相手が過去の友人や知り合いであることが多いものです。普通は探さなくても、実家や共通の知人を通せば、連絡を取れるはずですよね。
それなのに返事がない、あるいはつないでもらえないのなら、本人の意思でスルーしている可能性が高くなります。
避けられる理由が思い当たらなくても、人の心を読むことはできません。実は、本人の気持ちが分からないことも、人探しが難しい理由のひとつなのです。
ご参考までに、探偵事務所では連絡代行サービスを提供しています。どうしても連絡を取りたい場合は、利用するのも良いかと思います。
それでも様々な事情から、自分で人探しをする方に向けて、具体的なやり方を教えていただけますか?
まず相手について、わかっている情報をすべて書き出します。電話番号や住所など、変わっている可能性があるものでも構いません。過去の勤務先や出身地、本人から聞いたことがあるお店や場所なども含めて、できる限り思い出してください。
次に書き出した電話番号にかける、勤務先やお店に問い合わせるなど、本人の足取りをたどります。家や出身地に行ってみたり、googleマップで現状を確かめたりするのも良いですね。
うまく本人につながることもありますし、もし会えなかったとしても、何か手掛かりが得られるかもしれません。
自力での調査は「居所などの有力な情報は無理でも、何かヒントを得られればいいな」程度の気持ちで行うことが大切です。
しかし、慣れない人探しですから、第三者の言動に惑わされることも考えられます。調査を始める前に、しておくべき心の準備はありますか?
勤務先などに聞き込みをする際は、相手の迷惑にならないよう、十分に気をつけてください。
そして、自分の先入観や価値観だけで、余計な推測と判断をしないことです。
「彼はそんなことをしないだろう」「彼女が行くような場所ではない」などと、一方的な決めつけは禁物です。最初に書き出した情報は、あくまでも過去の状況ですから。
相手は失踪の事情や時間の経過により、いろいろと状況が変わった可能性もあります。特に、経済状況や価値観に変化があれば、以前とは異なる行動を取っているかもしれません。
探す相手をやっと見つけても、その人自身が変わってしまったことも考えられますね。
はい、再会後の相手と思い通りにならないことや、再び行方不明になってしまうこともあり得ます。
何故その人を見つけたいのか、会えたらどうしたいのかを、しっかり考えておかなければなりません。相手に伝えることを事前に決めて、必要な手続きがあれば、あらかじめ準備しておきましょう。
個人が日常生活と並行して行う調査ですから、できることや費用には限界があります。人探しは時間がかかるということも、肝に銘じておいてください。
人探しは諦めたらそこまでで、後は奇跡を待つしかありません。相手が変わってしまったとしても、思い通りにならないとしても会いたいなら、時間をかけて探し続けることです。
実際に、粘り強く頑張ったおかげで再会できたケースもたくさんあるのですよ。
逆に言うと、確実に探す相手を見つけたいなら、最初から探偵に相談したほうが良いのでしょうか。
そうですね、成功率が高い調査を効率よく進めたいなら、やはり探偵だと思います。
探偵への調査依頼は費用が掛かりますが、ご自身での人探しにもそれなりの経費が必要になりますし、仕事やプライベートの時間が削られてしまいます。
一方で、探偵はプロならではの調査が可能です。もし個人の方と探偵が同じ場所を調べたら、その結果には大きな差が表れますよ。
探偵に依頼するとなると、心配なのはやはり費用です。調査日数によって変わるとは思いますが、どれくらいの予算を考えておくべきですか?
探偵事務所によって設定方法や金額が異なり、必要な時間も事案によって変わりますので、目安になるような基準はありません。人探しはケースバイケースですから。
一般的に、人探しの費用は「着手金・成功報酬・実費」の合計です。難易度によって金額が上下しますので、探偵に事情をよく説明した上で、見積を出してもらいましょう。
時間についても同様に、調査予定をもらっておいてください。
人探しは、予定通りに進まないことも珍しくありません。依頼をする際は、臨機応変に対応できる、柔軟な探偵会社を選ぶことが大切です。
初めて探偵に依頼する人にとって、良い探偵会社選びもハードルが高いと思います。目の前の探偵と自分が合うのか、どうやって判断すればいいのでしょうか。
多くの探偵会社は、事前の無料相談を用意していますので、依頼前に必ず利用しましょう。そこで実際に探偵と話して、自分に合うかどうかを見極めます。
webで探偵会社を調べると「料金が安く、成功率が高い」とPRするホームページがたくさん出てきます。しかし、その謳い文句は宣伝かもしれませんので、鵜呑みにするのは禁物です。必ずご自身で面談して、大丈夫だと感じる探偵を見つけてください。
探偵会社を選ぶ際、最も重視するべきは調査力と信用性の高さです。
調査の成功率や満足度は、業者ごとにかなりの差がありますから、探偵選びはとても大きな鍵になります。人探しの成功は、どの探偵に頼むかにかかっていると言っても過言ではないのです。
それでは最後に、これから人探しを始める方に向けて、一言お願いします。
人探しは、スムーズに事が運ぶこともある一方、どうしようもなく難航することもあります。
調査が難しい、自力では目星がつかないなどの場合は、調査のプロに依頼することをおすすめします。
貴重な時間を有効に使い、これからの人生をより良いものにするために、探偵をご活用いただければ幸いです。
本日はお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。