人探しを探偵に依頼するとき、気になるのが調査費用です。探偵は高額というイメージを持っている方も多いことでしょう。
今回の記事では、20年以上のキャリアを持つ現役探偵に「人探し調査の相場と、費用を安く抑えるコツ」というテーマでお話を伺いました。
本日はよろしくお願いします。
よろしくお願いします。
人探し調査の費用相場と聞いても、具体的にイメージできる方は少ないと思います。実際のところ、相場感はどれくらいなのでしょうか。
その会社にもよりますが、おおむね10万円から150万円前後です。
かなり金額の幅が広いですね。
そうですね。人探し調査は内容がまちまちなので、難易度や調査期間に違いがあり、どうしても費用の幅が大きくなってしまいます。
依頼人が調査対象者について、たくさんの情報を提供できれば、探偵もスムーズな対応が可能になります。逆に情報が少なかったり、古かったりすると、調査そのものが難しくなりがちです。
また、探偵会社の規模による費用の違いも見られます。一般的には大手探偵会社のほうが高く、個人探偵事務所は安くなる傾向にあります。
調査費用はケースバイケースなのですね。目安になるような料金プランはありますか?
探偵会社ごとに様々な料金プランを設けていますが、人探し調査の場合は「成功報酬型プラン」を採用しているところが多いです。依頼者から最初に着手金をお預かりして、調査が成功した後に報酬をいただく料金形態になります。
探偵は依頼者から相談を受けると、その内容に最も効果的な調査方法を提案します。データの分析といった机上の調査や、尾行や張り込みなどの実地調査、あるいはその両方です。
調査費用は、人探しの難易度に比例して高くなります。まずは依頼前に、ご自身の案件がどれくらいの難易度なのか、探偵会社に尋ねることをおすすめします。
難易度が高いと調査費用が上がる、具体的な理由とは何でしょうか。
難易度が高い調査は、期間が長くかかり、調査員の人数も多くなります。「対象者の情報が少ない」「故意に失踪している」「足取りが途絶えてかなりの年月が経っている」といったケースです。
また、遠方で調査を行う場合も、交通費や滞在費などが高額になってしまいます。
仮に九州の探偵会社が、沖縄で失踪した人を探す依頼を受けたとしましょう。調査の結果、対象者が北海道にいる可能性があるという情報をつかんだら、探偵は実際にそこまで赴きます。沖縄から北海道ですので、交通費と滞在費はかなりの額になりますね。
逆に、対象者の新しい情報がたくさんある場合や、恩師や初恋の人を探すケースでは、費用も安くなることが多いです。
難易度によっては、探偵会社の見積金額が、依頼人の想定よりかなり高くなることも考えられますね。費用を抑えるコツがあれば、教えていただけますか?
それには4つのポイントがあります。
- 複数の探偵会社から相見積を取る
- できるだけ早く探偵に相談する
- 情報をたくさん集めて提供する
- 予算と捜索範囲を決めて調査する
この点を意識すると、費用を抑えられるかもしれません。
それぞれのポイントについて解説をお願いします。
まず相見積についてですが、探偵業界には漠然とした相場はあるものの、共通の料金規定などは存在しません。
複数の会社から相見積を取り、料金体系や基本料金の範囲を比較することで、適正な費用を知ることができます。各社の実績やサービスなどの違いもチェックしておきましょう。
人探しは、時間が経過すればするほど、足取りを追うことが難しくなるものです。警察庁でも「行方不明者の所在確認は、失踪後一週間以内がボーダーライン」と言っているとおり、一週間を過ぎると発見率がぐっと下がってしまいます。
つまり逆に言うと、調査開始が早いほど成功率が上がるのです。
探偵が早い段階で依頼を受けると、本人を特定できる可能性が高くなります。まだ失踪時と同じ状態や服装でいることが多く、顔写真の変化も少ないですから。
調査費用は期間が短いほど安くなりますので、事態が深刻化する前に、探偵に相談することをおすすめします。
情報をたくさん集めて提供するというのも、調査期間の短縮につながるからですか?
そうです。探偵は依頼者から聞いた情報に基づいて動きますので、情報が多ければ調査の難易度が下がり、効率よく進められます。その結果、短期間で調査を終える可能性が高くなるのです。
また、依頼者にとって些細なことでも、探偵には大きな手掛かりになることがあります。小さなことだと思わず、情報をすべて渡すことが大切です。
ただし、記憶があいまいで確信が持てない情報については、探偵が混乱しないよう、その旨も一緒に伝えてください。
では、予算と捜索範囲を決めるというのはいかがでしょう。
難易度や調査方法によって費用が変わると申し上げましたが、まずは予算内でどこまでの調査ができるのか、探偵に相談するのも大切なことです。基本的な調査費用がいくらなのか、追加料金が発生するのはどのような場合なのか、事前に確認しておいてください。
もし対象者がいそうなエリアを予測できるなら、捜索範囲を狭められるので、少人数の調査でもすぐに見つかるかもしれません。事前にご自身で聞き込みをした場合も、その場所を調査から外せれば、費用を抑えられることがあります。
金額によって調査方法や捜索範囲は変わりますが、信頼できる探偵なら、予算内でできる最大限の提案をしてくれるはずです。
それなら、安さ重視で探偵会社を選んでも、それほど心配はないということになりますか?
いえ、費用を抑えたい気持ちはわかりますが、金額だけで選ぶべきではありません。
通常、探偵会社は費用についてきちんと説明をします。後から追加料金が発生したり、オプションとして上乗せしたりする仕組みになっていないか、契約書をよく見て確かめることが大切です。
見積金額が安くても、調査期間が延びて結局は割高になるなら、最初から調査力が高い探偵会社へ依頼することをおすすめします。実力のある探偵が集中的に調査をして、短期間で終わらせるほうが、費用を安く抑えられることがあるからです。
調査力が高い探偵会社を見分けるには、どうすればいいのでしょうか。
人探しの実績が豊富で、創業年数が長い会社を探すといいですね。捜索範囲が限られているなら、その地域に精通した探偵を選ぶのも良い方法です。彼らには土地勘がありますし、地域情報や人脈も豊富ですから。
探偵会社のホームページには、その会社ならではのこだわりや、意識している点などが記載されています。相談に行く前にチェックしておきましょう。
最後に、人探しを検討中の方へ向けて、一言お願いします。
人探しを探偵に頼みたいけれど、高額な費用がかかるのではと心配で、なかなか踏み切れない方もいらっしゃると思います。
探偵会社を選ぶ際は、ホームページなどで特徴や料金プランを見て、費用を抑えるポイントを把握しておきます。その上で、親切に説明してくれそうな会社へ無料相談に行きましょう。
依頼の際は複数社から相見積を取り、ご自身に合ったプランやサービスを提供してくれる会社を選んでください。
警察には頼れない案件でも、探偵なら力になることができます。あのとき依頼しておけばよかった、と後悔することのないよう、今できる最善の策を尽くすことが大切です。
今回は貴重なお話をお聞かせくださり、ありがとうございました。