付郵便送達を行うためには、さまざまな問題をクリアーする必要があります。
そうした問題は、一般的な知識では解決できないことがほとんどです。
そこで頼りになるのが探偵の存在です。
この記事では20年以上の探偵歴を持つ現役探偵に「付郵便送達のための現地調査」をテーマにインタビューを行い解説していきます。
今日はよろしくお願いいたします。
こちらこそ、よろしくお願いいたします。
早速ですが、そもそも「付郵便送達」とはどのような郵便方法でしょうか?
「不郵便送達」とは、シンプルに言えば相手に郵便を送ったことによりその郵便が受理されたことになる郵便方法です。
普通は相手が受け取った時点で受理となりますが、この「不郵便送達」は相手が実際に受理したかどうかは問われず、送ったことにより受理扱いになるのが特徴です。
一般の方の場合、この「不郵便送達」という方法は馴染みがないかもしれませんが、裁判での原告側が行う方法としてはよく使われる方法です。
なぜ、「不郵便送達」を行うために現地調査が必要になるのでしょうか?
「不郵便送達」は原告などにとってとても有利な郵便方法なのは間違いありません。
しかし、この「不郵便送達」を成立させるためには、相手がその住所に居住していることが条件になるのです。
つまり、住んでもいない住所に一方的に「不郵便送達」で送っても、裁判上で認められることはありません。
我々探偵は、その住所に確実に相手が住んでいるかの調査を行います。
もちろん、現地に足を運んでの現地調査が基本のため、時間も労力もかかってしまいますが、確実な証拠を掴むためにさまざまな方法を駆使します。
不郵便送達のための現地調査は、どのような方からの依頼が多いですか?
ご依頼の多くは交通事故案件を多く取り扱う法律事務所や、常日頃から付き合いのある弁護士からの訴訟案件に関してのご依頼、現地調査に強い調査会社を探している個人様からのご依頼もあります。
裁判所からの訴状を受け取らない被告に対しては、この「不郵便送達」という方法を使うことが有効的です。
もし相手が裁判を欠席したとしても、「不郵便送達」にて訴状が送られたことで被告は受理したとみなされるため、欠席裁判で原告側の勝訴が濃厚になります。
そのために法律事務所や弁護士が我々に、居住している住所かどうかの現地調査のご依頼があります。
なるほど。しかし、住んでいるかの現地調査となるとかなりハードルが高いように感じます。とくに相手が警戒しているときには、実際に住んでいるかの確認は簡単ではないように感じますが?
相手が警戒しているときには確認が難しくなる場合もあります。
とくにマンションの場合はセキュリティ面からエントランスからさらに中に入ることは難しく、また戸建て住宅であっても相手によっては警戒心が強く居留守を使うケースは多くあります。
そのような人物の場合は、近隣住民との繋がりを持たないことも多いので時間も手間もかかってしまいます。
しかし、我々探偵は過去の経験やノウハウなどを活かして、適切な聞き込みや張り込みなどを繰り返し調査を行い、正確な情報を報告しています。
では、具体的にどのような方法で「不郵便送達」の現地調査を行うのでしょうか?
もし、調査対象の相手が訴えられている状況なら、その訴状の確認を行うことから始めます。
訴状によって相手がどのような警戒をしているのかが想像できるからです。
そして、相手の職業や家族構成も分かるのであれば確認しておく必要があります。
次に、実際にその住所に居住しているかの確認については、表札の有無、郵便ポストに郵便物が投函されているかの確認、電気メーターが回転しているかの確認も行います。
また、駐車場に車はとまっているか、車は移動しているかなども入念にチェックしています。
ただしマンションの場合はこうしたチェックが難しいこともありますので、近隣住民のヒアリングにより確認することも珍しくありません。
また、過去にはマンションのベランダの様子から居住確認がとれたこともあります。立地や階層にもよりますが、ベランダでの動きについても見張りを一定時間行うこともあります。
そして、直接本人や本人の家族に接触することもあります。ただし、状況によっては相手が逆上することもありますので、これはかなり慎重な対応が求められる方法だと言えます。
実際にその住所に住んでいるという確認によりどのような証拠を残すのでしょうか?
現地調査するうえで、この部分が一番重要だと考えています。
相手が住んでいることが間違いなくても、客観的にその事実が説明できなければ意味がありません。
客観的な資料を残すために、「不郵便送達」の為の「現地調査報告書」を作成し、依頼者に渡しています。
その報告書には現地で確認した記録文書とともに、写真を添付するのが基本です。つまり、客観的に認められる証拠として写真も活用しているということです。
相手が住んでいる建物、マンションであれば部屋のナンバーが写った扉やポストも記録します。さらには電気メーターの記録やベランダのカーテンの様子やポストから書類等が回収された記録も残して報告しています。
また、状況によっては写真だけでなく動画にして報告することもあります。
実際の裁判ではどのような証拠が求められるのかについては、探偵の豊富な経験が問われる場でもありますので、慎重かつ丁寧に確実な証拠を残すようにしています。
ただし、法律に抵触するような調査や証拠を残すようなことはできません。
そういった部分についても経験豊富な探偵でなければ判断できないことのため、個人では調査が難しいです。
まさに、我々のような専門の探偵が必要な場面だと言えるでしょう。
調査には経験が必要なことは理解できましたが、その調査が失敗することはありますか?また、調査により成果が得られないこともありますか?
調査が失敗することは、通常であればありません。
しかし、もし失敗することがあるとしたら依頼者から頂いた情報に間違いがある場合です。
もし、情報が間違っていた場合は調査のやり直しで追加料金が発生することや、依頼期間が伸びることもありますので、我々探偵にお伝えいただく事前情報は確実なものを提示願いたいです。
また、調査の成果については、何をもっての成果と考えるかによります。
我々探偵は蓄積された過去のノウハウを持って確実な情報を依頼者に提示していますので、それが成果だと考えています。
ただし、最終的に「不郵便送達」が実施されるかは裁判書書記官の判断によるものですので、必ずしも依頼者が望まれている判断がされるかどうかの確約はできません。
しかし統計上、当社の現地調査をもとに「不郵便送達」が実施されたケースは相当数ありますので、その精度はかなり高いと自負しております。
ありがとうございました。では最後に、「不郵便送達の現地調査」のスペシャリストとして何かメッセージありましたらお願いします。
「不郵便送達の現地調査」を個人で行いたいという考えの方もいるようです。
しかし、調査報告書の記載方法や証拠の写真撮影方法、さらには聞き込みの手順や手法などは経験豊富な探偵だからこそ実施できることです。
事案に応じた柔軟な対処方法で、確実な情報を提供しますので、お困りの際はご相談ください。