家族や大切な人が突然、家出してしまうことがあります。残された側には一大事であり、いてもたってもいられませんが、家出する側にはそれなりの理由があってそこに至ります。
家出した人の心理を理解することは、早期解決や今後の家出を未然に防ぐためにもとても重要です。
こちらでは、家出する人との心理状態や思考について、現役探偵が解説します。
家出されてしまったときの対策や、未然に防ぐ方法についてもご紹介していますので、最後までお目通しください。
目次
家出する理由
人の行動の後ろにはそこに行き着く動機があります。それは本人以外からみれば、動機になるほどではないと思えることかもしれません。こちらの価値観で「大丈夫なものだ」と楽観視していると、本人から出されるSOSや危険信号を見落としてしまうことがあります。
家出の理由を知っておくことで、同様の様子が見られたときに適切に対処することができるでしょう。
人が家出する理由についてみていきます。
自分の思いを通したい
家族や友人、学校や会社の人など私たちは人と共存して生きています。それぞれの思惑がありますから、譲り合って生きるのが社会のルールです。ですが、どうしても通したい思いがあるとき、人はその枠から逃げ出したくなります。
人によっては、そもそも他人と合わせるのが苦手で、自分のペースで生きることを優先したい人もいます。それは、家族や近しい関係の人に対しても起こり得る感情です。
こういった人は「一人になりたい」「自由にさせて欲しい」などを理由にして家出します。
現状から逃げたい
自分の身の回りで起きた問題から逃げるために家出する人がいます。
家族間のいざこざや、仕事のトラブル、友人関係・恋人関係のもつれなどがその発端で、物事を深刻に考えすぎてしまう人などにみられる理由です。
側でみているものにすれば、乗り越えるか、放っておけば良いような問題に思えても、本人はどうしようもなく悩んでいて、またその悩みが理解されないことも家出の理由になったりします。
リセットする
社会で暮らしているのですから、何かを変えるとしても、そのつながりを無視することができないと考えるのが通常です。
しかし、中にはゲームのようにリセットしていったん白紙に戻して人生をやり直そうと考える人もいます。
そのさらに奥に、はっきりとリセットする理由がある人もいますが、人によってはとりあえず、今がイヤだからやり直したいと考えて家出する人もいます。
また、今に不満はないけれど何か新しいことをやりたい、新しい環境に変えたいという思いから、リセットを選ぶ人もいるでしょう。
当人がコントロールできない事情
本人が心から望んでいるわけではないのに、家出する人がいます。
事件や事故にまきこまれたり、悪いグループと関わっていて家出することになるなどがそれです。
金銭トラブルや人間関係のもつれから、姿を消さざるを得ない事情を抱えている可能性もあります。
ほかにも、自分が家出することが最良の方法だと思い込んで実行するケースがあります。責任感や正義感が必要以上に強いタイプや、自己肯定感が低いタイプの人に見られる傾向です。
また、認知症や鬱といった病気から、通常の判断ができずに家出するケースがみられます。これらの疾患の初期段階は家族でも気づかないことがありますので、注意が必要です。
家出するきっかけ
家出したくなるような理由があったとしても、なかなかそれを実行に移すのは容易ではありません。
家出は、理由ときっかけが揃ったときに実行されます。
家出のきっかけにはどのようなものがあるのかをみていきます。
突発的なこと
人間は1日に6万回以上の思考を繰り返しているとされ、その多くがネガティブな内容だと考えられています。
意識的に思考をコントロールできている人は別として、多くの場合、マイナス的な考えが自動で沸いてきているということですから、その思いが高じて家出のきっかけになることがあるでしょう。
ふと未来の心配をしてしまい、それが何かの悩みと重なったとき「家出」という形で行動に表れるケースです。
外からは全くわからない領域ですので、「さっきまで普通だったのに」家出してしまったケースであれば、これに当てはまる可能性があります。
家出を誘発する存在
友人や恋人、もしくは仕事やもうけ話をする人など、誰かに誘発されたことがきっかけで家出することがあります。
本人が家出を望んでいて、背中を押された形になるケースもあれば、本人は家出を想定していなかったけれど、そうするしかないように追い込まれて家出するケースもあるでしょう。
いずれにしても、自分だけでは行動に移せないタイプの人や、他人の言葉に惑わされやすい人などに多くみられます。
社会との関わりの中での出来事
ちょっとした事件やイヤな出来事は普段から何かしら起きています。しかし、その中でも特別に不愉快な出来事が発生したり、積み重なって大きくなったときに、爆発して家出してしまうことがあります。
会社で大きなトラブルを起こした、友達にイヤな目に遭わされた、恋愛がうまくいかなかったなどがそれです。
人生というスタンスでみれば、気に病むようなことではないとしても、そのときの本人は全てを投げ打って逃げ出したいほどの心理ダメージを受けて、それが家出のきっかけになります。
家族が家出してしまったら
家族や近しい人が家出してしまったら、行方不明者届(捜索願)を提出しましょう。行方不明者届(捜索願)は最寄りの警察署で受け付けられます。
特に、家出した人が未成年者や高齢者であれば、特異行方不明者と判断されて、捜査対象となる可能性がありますので、できるだけ速やかに提出してください。事件や事故に関わりがあるかもしれない人についても同様です。
家出の理由が予測でき得る成人であっても、不慮の事故などに巻き込まれている可能性も考えられますので、届け出ておきましょう。
警察への届け出と並行して、家族や近い人で本人を探すことになりますが、このときにできればプロの第三者である探偵ににも一度相談してみてください。
家族にできる家出対策
家族や近い間柄であっても、心の中までのぞくことはできず、行動の一部始終を監視することもできません。ですが、日常のちょっとした心がけで、家出を未然に防ぐことができます。
家出させないために家族ができる方法についてご紹介します。
無関心にならない
まずは、家族に対して無関心にならないことが大切です。
仕事や学校など、それぞれが自分事でいっぱいになっているときもありますが、少しでも構いませんので、家族に関心を向けることで家出を未然に防ぐことができます。
いつもと様子がちがうときや、悩んでいるようなら気をつけてみておきましょう。
登校、出勤時間が変わったり、帰宅時間に変化があるなど、これまでと行動が変わるときも注意が必要です。
過干渉になっては逆効果ですが、ある程度の関心を向け続けることが家出対策になります。
身の回りのことを把握する
コミュニケーションツールの変化から、家族であっても個人的な状況を把握しにくい環境にあります。
家族に、どんな友達がいて、どんなコミュニティに属しているのかを知らないことも珍しくありません。
大人はもちろん、子どももある程度の年齢以降はあまり自分のことを話したがらなかったりします。ですが、日常生活について、おおよそのことをつかんでおくことで、家出を防げたり、万が一家出をしてしまったときの探す手がかりになります。
信頼する
家族の行動を気にすると同時に、家出を防ぐためには信頼することも重要です。
大人も子どもも、心から信じてくれる人を裏切ろうとは思わないものです。家族や近い人の信頼は、魔が差したときの抑止力になります。
危うい行動をとりやすい人や年頃の子どもについては、信頼よりも心配してしまいがちです。信頼される側以上に、信頼する方にエネルギーが必要かもしれませんが、家族を信じる勇気がトラブル防止になります。
家族が家出したら探偵に依頼した方が良いのか
家族が家出したとき、まずは警察に行方不明者届(捜索願)を出しましょう。ですが、事件性、緊急性が想定できず、一般の家出人と判断されたなら、警察が積極的に探してくれることに期待は持てません。
そんなことから、家族や近しい人で家出した人を探すことになりますが、そのときは探偵に依頼することをおすすめします。
探偵に調査依頼をした方が良い理由のひとつは、人探しの難しさです。
一般の人が人探しをした場合、本人が行きそうな場所をあたってみつかればよいですが、そこでみつけられなければ、それ以上はなかなか難しいのが実際です。
また、当事者と近い関係にあるほど、思い込みの概念が働いて、みつけられない可能性もあります。
本当にその人をみつけたいのであれば、あれこれ悩んだり、闇雲に探し回って時間が経過するだけということにならないよう、できるだけ早い段階で、探偵に相談するのが早道です。
さまざまな事情から、探偵に依頼していることを知られたくないケースや、当人が家出したことを隠しておきたいケースがあります。そのような場合であれば、探偵は事情を鑑みて行動いたしますのでご安心ください。
大切なご家族と、あなた自身のために良質やプロの技術に頼ってみてはいかがでしょうか。
まとめ:家出する人の心理を知って普段からの対策を
家出してしまう人の心理について解説し、それを防ぐ方法についてもご紹介しました。
家出の理由やきっかけは、それ自体は大きなものではなかったり、家出以外の方法で解決できるものであることも少なくありません。また、人によっては理由なく衝動的に行動してしまうケースもあります。
家出を完全に防ぐ方法はありませんが、普段からの心がけひとつで、抑止できることがあります。
そして、万が一実際に家出してしまったなら、冷静かつ速やかに対処することで良い解決が望めるでしょう。
お悩みが解決しますよう、こちらの記事がお役に立てば幸いです。